チオプロニン

チオプロニン(Tiopronin)は、Thiolaという商標名で、シスチン尿症患者のシスチンの沈殿と排出の割合を調整するための処方薬として用いられるチオールである。病気が珍しいことから、チオプロニンは希少疾病用医薬品に分類される。

チオプロニン
識別情報
CAS登録番号	1953-02-2  29335-92-0 R
3D model (JSmol)	Interactive image Interactive image
バイルシュタイン	1859822
ChEMBL	ChEMBL1314
ChemSpider	5283  180938 R  643292 S
ECHA InfoCard	100.016.163
EC番号	217-778-4
KEGG	D01430
MeSH	Tiopronin
PubChem CID	5483 208825 R 736152 S
RTECS number	MC0596500
UNII	C5W04GO61S
CompTox Dashboard (EPA)	DTXSID4023678
InChI InChI=1S/C5H9NO3S/c1-3(10)5(9)6-2-4(7)8/h3,10H,2H2,1H3,(H,6,9)(H,7,8)  Key: YTGJWQPHMWSCST-UHFFFAOYSA-N
SMILES CC(S)c(:[o]):[nH]Cc(:[o]):[oH] CC(S)C(=O)NCC(O)=O
特性
化学式	C5H9NO3S
モル質量	163.19 g mol−1
外観	白色不透明結晶
融点	93-98 °C, 366-371 K, 199-208 °F
log POW	-0.674
酸解離定数 pKa	3.356
塩基解離定数 pKb	10.641
薬理学
法的状況	℞-only(US)
胎児危険度分類	C(US)
危険性
GHS表示:
絵表示
重要な用語	Warning
危険性報告	H302
致死量または濃度 (LD, LC)
半数致死量 LD50	1,300 mg kg-1 (oral, rat)
関連する物質
関連するalkanoic acids	アセチルシステイン グリシルグリシン イミノ二酢酸 ニトリロ三酢酸 N-オキサリルグリシン ブシラミン オキサリルジアミノプロピオン酸 γ-グルタミルシステイン
関連物質	N-アセチルグリシンアミド
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

使用

チオプロニンは、シスチン尿症の治療に主に用いられる薬品で、シスチン尿症患者のコミュニティではよく知られている。シスチン尿症の重症度に応じて、しばしば幼い頃から一生に渡って用いられることもある。

また、肝レンズ核変性症（体内への銅の過剰蓄積）や珍しい種類の関節炎の治療にも用いられるが、抗炎症薬ではない。

チオプロニンは、金属ナノ粒子の安定化剤として用いられることもある。チオール基がナノ粒子に結合し、凝固を防止する^[1]。

副作用

チオプロニンには、幅広い副作用があるが、通常、副作用は継続使用するうちに弱まってくる。シスチン尿症が珍しい病気であるため、チオプロニンは未だ十分に研究されていない。