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ヒメヒゴタイ
キク科の種 ウィキペディアから
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ヒメヒゴタイ(姫平江帯、学名:Saussurea pulchella)は、キク科トウヒレン属の二年草[2][5][7]。
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特徴
根は太く、紡錘形で垂直に伸びる。茎は直立し、高さは30-150cmになり、茎は上部でよく分枝する。根出葉と下部の茎葉は花時には枯れて生存しない。茎の中部につく葉は草質で、葉身は楕円形から狭楕円形になり、長さ12-18cmになり、羽状に深裂して6-10対の裂片になるか鋸歯縁になるが、中部から上部の葉は全縁となり、小型のものは全体に全縁葉のみがつくことがある。葉の両面に腺点と多細胞の短褐色毛が生える。葉柄は長さ3-6cmになり、基部は茎に流れて狭い翼になるときがある[2][5][7][8]。
花期は8-10月。頭状花序は散房状または円錐状に多数が密集してつき、頭花の径は12-16mmになり、花柄は長さ10-35mmになり、細い。総苞は長さ11-13mm、径10-11mmになる球形から幅の広い鐘形で、くも毛があり、基部に1列の狭卵形の苞葉がある。総苞片は8-9列あり、狭卵形で、すべての総苞片の先端に淡紅紫色の付属体があって、中片と内片の付属体は円形、外片の付属体は楕円形で小さい。総苞外片は卵形で、長さは2-3mmになる。頭花は筒状花のみからなり、花冠の長さは11-13mm、色は紅紫色で腺点がある。果実は長さ3.5-4.5mmになる痩果で、象牙色になり、紫褐色の条と斑点がある。冠毛は2輪生で、落ちやすい外輪は長さ1.5mm、花後にも残る内輪は長さ7-8.5mmになる[2][5][7][8]。
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分布と生育環境
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、低山から山地の草原、または海岸草原の、日当たりのよい草地や林縁に生育する[2][5][7]。世界では、朝鮮半島、中国大陸(東北部・中部)、モンゴル、サハリン、ロシア沿海地方に分布する[2]。
名前の由来
和名ヒメヒゴタイは、「姫平江帯」の意[6][5]。ヒゴタイに比べて小型であることからいう[8]。ただし、本種とヒゴタイは姿、形は似ていなく[9]、ヒゴタイは別属のヒゴタイ属に属する。
種の保全状況評価
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
(2017年、環境省)
ギャラリー
- 頭花は長さ10-35mmの柄で散房状または円錐状に密につく。総苞片の先端に付属体がつく。
- 総苞は球形から幅の広い鐘形で、基部に1列の狭卵形の苞葉があり、総苞片は8-9列ある。付属体は淡紅紫色。
- 海岸草原の風衝地に生えるものは背丈が低い。
- 今年は花茎が立たない個体の根出葉。
下位分類
類似の種
日本におけるトウヒレン属のうち、ヒメヒゴタイ節 Sect. Theodorea に属する種を次に示す。
- サドヒゴタイ Saussurea nakagawae Kadota[2] - 佐渡島の特産で、海岸に近い草原に生育する。草丈70-150cm。総苞は鐘形から筒形、総苞基部に5列の苞葉がある。総苞片は11-12列、先端の付属体は円形[2]。2017年新種記載。
- ヒナヒゴタイ Saussurea japonica (Thunb.) DC. - 九州、朝鮮半島、中国大陸、台湾、モンゴルに分布し、低山や海岸の草原に生育する。草丈50-200cm。総苞は筒形から狭筒形で径5-8mm、総苞基部に1列の苞葉がある。総苞片は8-9列、先端の付属体は中片と内片は円形、外片は小さい楕円形。絶滅危惧IB類 (EN)(2017年、環境省レッドリスト)[2]。
脚注
参考文献
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