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ピエタ (エル・グレコ)
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『ピエタ』(西: La Piedad、英: Pietà)は、クレタ島出身のスペインのマニエリスム期の画家エル・グレコが1571-1576年に板上にテンペラで制作した絵画である。作品は1917年以来[1]、フィラデルフィア美術館に所蔵されている[1][2]。なお、ニューヨークのアメリカ・ヒスパニック協会には本作より大きな、署名のないキャンバス上の油彩画が所蔵されており、本作はそのための習作である可能性がある[2]。
作品
「ピエタ」 (イエス・キリストの哀悼) を表す本作はエル・グレコがヴェネツィアからローマに到着した直後に描かれており、ミケランジェロの彫刻『ピエタ』 (フィレンツェ大聖堂美術館) からの影響を明らかに示している[2]。ミケランジェロの彫刻は、死せるキリスト、聖母マリア、マグダラのマリア、アリマタヤのヨセフを新たな形態の扱いによりコンパクトな群像にまとめている[2]。
一方、エル・グレコは絵具で幅の広い、連続する色彩を用いることで聖母マリア、キリスト、福音記者ヨハネをまとめている。ローマの絵画の鮮やかな色彩がヴェネツィアの絵画の豊かな色彩と結びつき、主題の要求する濃密な表現が伝えられている[2]。一方、本作では、単独の図像より物語的な主題に適したヴェネツィア派の水平の構図が放棄されている[2]。
エル・グレコに影響を与えたのは、ミケランジェロの『ピエタ』だけではない。キリストの脚および広げられた腕の配置により、彼を支える2人のうちヨハネを側面から、聖母を背後から表すことはミケランジェロのヴィットリア・コロンナを表した素描『ヴィットリア・コロンナのピエタ』(イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館、ボストン) に由来しており、この素描でも聖母がキリストの背後の上に配置されている[2]。
なお、エル・グレコは、後にスペインに移ってからはピエタの主題を扱っていない[2]。
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ギャラリー
- エル・グレコ『ピエタ』(1538-1544年)、アメリカ・ヒスパニック協会、ニューヨーク
脚注
参考文献
外部リンク
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