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ファリスク語

インド・ヨーロッパ語族の一部 ウィキペディアから

ファリスク語
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ファリスク語(ファリスクご、英語:Faliscan language)は、古代イタリアで用いられた言語の一つ。インド・ヨーロッパ語族イタリック語派のうち、ラテン語と同じラテン・ファリスク語群に含まれる。後にラテン語に同化されて消滅したが、少なくとも紀元前150年頃までは使用されていたとされる。

ファリスク語はローマの北にあったエトルリアの町ファレリイ(今のチーヴィタ・カステッラーナ)で話されていた言語である。現存する資料は墓碑銘や器の銘文で、あまり充分とは言えない[1]

ファリスク語の例として、以下のような文がある[2][3]

  • foied vino pipafo cra carefo.

上の文をラテン語に直すと、次のようになる。

ファリスク語はラテン語にくらべて、以下のような特徴がある[2]

  • インド・ヨーロッパ祖語の *bh, *dh が母音間で f になる。ラテン語では b, d になる。上の例では carefo(ラテン語 carebo)にそれが現れている。この点はオスク語ウンブリア語と共通する。
  • インド・ヨーロッパ祖語の *kw は qu になる。この点はラテン語と一致し、オスク語ウンブリア語が p になるのと異なる。
  • 語頭で h と f が交替する。上の例で foied(ラテン語 hodie)がそれにあたる。同様の現象はサビニ語エトルリア語にも見られる。
  • 二重母音は ai > ē, ou > ō のように変化した。
  • 語末子音が消滅する。上の例では cra(ラテン語 cras)がそれにあたる。
  • ラテン語と同様に、第二変化の単数属格が -ī になる。
  • 第二変化の単数与格が -oi になる。
  • 三人称単数の第二次語尾が -d で終わる。
  • 未来形に -f- (ラテン語の -b-)が使われる(上の例の pipafo, carefo)。
  • 完了形に畳音が使われる。
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脚注

関連項目

外部リンク

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