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フィブロネクチンII型ドメイン
タンパク質ドメイン ウィキペディアから
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フィブロネクチンII型ドメイン(フィブロネクチン にがた ドメイン 英: Fibronectin type II domain、Fibronectin type II module、Fibronectin type II repeat、FNII、FN2)は、最初、フィブロネクチン(タンパク質)内部のポリペプチドの繰返し構造として発見された。その後、他のタンパク質に類似ドメインがあることから、進化の過程で保存されたタンパク質ドメインの1つだと考えられている。


1つのフィブロネクチンII型ドメインは、アミノ酸約60個からなり、2個のシステインがS–S 結合(ジスルフィド結合)を介してつながったシスチンを2つもつクリングル・ドメイン(スカンディナヴィアのペイストリー・クリングルの形に由来)を形成している[1]。
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用語
略語のFN2は、C末端近くの2個のシステイン部分を欠いた単鎖フィブロネクチン(single-chain fibronectin)[2]を指すこともあるので注意する。
ドメイン(domain)という用語は、もう少し大きいかたまりに対して用いることが多い(例:ヘパリン結合ドメイン)。この場合、本項目に該当する用語は、「モジュール(module)」[3]、あるいは「繰返し(repeat)」の方が妥当である[4]。その場合、1つのドメイン(domain)は数個の「モジュール(module)」(あるいは「繰返し(repeat)」)で構成されることになる。
発見
1983年、デンマーク・オーフス大学のトーベン・ピーターセン(Torben E. Petersen)らは、タンパク質化学の手法でフィブロネクチンの一次構造の解析をし、まだ半分(推定1,880個の内、911個)しか解析が終わっていなかったが、論文として発表した。半分の解析ではあったが、フィブロネクチンの一次構造に3種類の内部ホモロジーが存在することを発見した。フィブロネクチンI型ドメイン、フィブロネクチンII型ドメイン、フィブロネクチンIII型ドメインと命名し、それぞれ、9個、2個、4個確認した[5]。
解析が半分しか終わっていないのに論文を発表したのは、この頃、簡便・迅速なDNAシークエンシングから一次構造を決定する手法が世界の研究室に導入され始めていたためである。タンパク質化学の手法で全一次構造の決定をするには、さらに3年の年月が必要だった。
1986年、デンマーク・オーフス大学のグループは、タンパク質化学の手法でフィブロネクチンの全一次構造を決定した。その時、フィブロネクチンII型ドメインの数は、1983年の報告と変わらず2個と発表した[6]。
一方、タンパク質化学での発表の翌年の1984年、やはりというべきか、米国・マサチューセッツ工科大学のリチャード・ハインズの研究室が、DNAシークエンシングから、フィブロネクチンの全一次構造を決定した。フィブロネクチンI型ドメイン、フィブロネクチンII型ドメイン、フィブロネクチンIII型ドメインを確認した[7]。
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このドメインを持つヒトタンパク質
フィブロネクチン; BSPH1 (bovine seminal plasma proteins [8]); ELSPBP1; 第XII因子(ハーゲマン因子、F12); 肝細胞増殖因子活性化因子 (HGFAC)[9]; IGF2R; LY75; マトリックスメタロプロテイナーゼ-2 (MMP2、72 Kd type IV collagenase (EC 3.4.24.24)[10] ) ; マトリックスメタロプロテイナーゼ-9 (MMP9、92 Kd type IV collagenase (EC 3.4.24.24)[10] ) ; マンノース・レセプター (MRC1、cation-independent mannose-6-phosphate receptor;[11]) ; マンノース・レセプター (MRC1L1、mannose receptor of macrophages;[12]) ; マンノース・レセプター (MRC2) ; PLA2R1; SEL1L(180 Kd secretory phospholipase A2 receptor;[13] DEC-205 receptor;[14] )
脚注・文献
関連項目
外部リンク
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