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フエダイ属

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フエダイ属
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フエダイ属 (学名:Lutjanus) は、フエダイ科の下位分類群の一つ。大西洋インド洋太平洋熱帯および亜熱帯域に分布する。サンゴ礁マングローブ林に生息する肉食性の魚類が含まれる。2種は淡水および汽水域に生息する。

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分類

本属は1790年にドイツ医師動物学者であるマルクス・エリエゼル・ブロッホによって、キンセンフエダイ Lutjanus lutjanus を模式種として設立された[1]。 フエダイ亜科 Lutjaninae およびフエダイ科 Lutjanidae の模式属である。属名は、インドネシアにおけるフエダイ類の現地名である ikhan Lutjang に由来する[2]。この属名はキンセンフエダイのタイプ標本東インド諸島で収集されたことを示唆しているが、ブロッホはキンセンフエダイのタイプ産地を日本であると誤って記載した[3]。西部大西洋のフエダイ亜科の分類学的研究では、単型属 OcyurusRhomboplites がフエダイ属に属することが示された[4]。一部の研究者は、Lutjanus ambiguusL. synagrisOcyurus chrysurus の間の雑種である可能性が最も高いとし、これを2属間の密接な関係の裏付けと考えている[5]

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下位分類

要約
視点

本属には2023年現在、73種が属する[6][7]

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分布・生息地

本属魚類は大西洋、太平洋、インド洋の熱帯および亜熱帯域に分布している[13]。ゴマフエダイ (Lutjanus argentimaculatus) とニセクロホシフエダイ(Lutjanus fulviflamma) [14]は、地中海での記録があり、レセップス移動によって紅海からスエズ運河を通って移動したと考えられている。また西大西洋に分布する Lutjanus jocu が、リグリア海で記録されている[15]。多くの種はサンゴ礁に生息し、サンゴ礁の生態系において主要な種である。大型の種には、少なくとも水深200mの深海に潜るものもいる[13]L. fuscescensL. maxweberi の2種は淡水と汽水域のみに生息する[16]

形態

小型種から大型種まで所属し、体形は細いものや紡錘形のものなど様々である。口は比較的大きく、伸長する。歯は尖った円錐形で、一列または複数列の種もいる。外側の列は犬歯のような歯で構成され、前歯はより尖っている。鋤骨歯は山形、三角形、または三日月形で、まばらまたは菱形に配置されている。また、後方に伸びる場合もある。両眼の間の空間は凸状で、前鰓蓋骨縁は鋸状であり、下側に切れ込みが入る種がいる。鰓蓋骨と前鰓蓋骨の間に骨のこぶがある場合があり、前鰓蓋骨縁に深い切れ込みがある種では顕著である。

背鰭は連続しており、棘条10-11本と軟条11-16本で構成される。棘条部分と軟条部分の間にわずかな切れ込みがあることが多い。臀鰭は棘条3本と軟条7-10本、胸鰭は軟条15-18本で構成される。背鰭と臀鰭には鱗がある。尾鰭は切れ込みの深さに大小はあるが、二叉形や截形である。体色は非常に多様で、赤色、黄色、灰色、茶色の種が多い。暗い縞模様をもつ種もいる。体側面上部、背鰭軟条部前方の下側に大きな黒っぽい斑点がある種が多い[13]

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生態

小型の種は、昼間はサンゴ礁の周辺で大きな群れを作り遊泳しており、夜間は単独で餌を探す。主に魚と甲殻類を捕食する。少なくとも1種で集団産卵が観察されている。雄が雌の体をついばんだりこすったりすることで始まり、他の個体が最初のつがいに引き寄せられると、全ての個体が海面に向かって螺旋を描き、放精が行われる。卵は小さく球形で、約18時間で孵化する[13]

人との関わり

大型種は商業漁業の対象種として重要視され、熱帯地方では食用とされている。釣り、罠、銛突き、網、トロール網などの様々な方法で漁獲される。主に鮮魚として販売されるが、冷凍や塩漬けで保存もされる[13]

画像

脚注

関連項目

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