フッ化銀(I) (フッかぎん、silver(I) fluoride)は銀とフッ素の化合物である。赤褐色の固体であるが、湿った空気に晒すことで黒色に変化する。融点は435℃[4]。他のハロゲン化銀とは異なり、水に非常に溶けやすく(水1Lに対して1.8kg以上[4])、アセトニトリルにもいくらか溶ける。炭酸銀とフッ化水素酸から作られる。

概要 識別情報, 特性 ...
フッ化銀(I) |
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別称 Argentous fluoride Silver monofluoride |
識別情報 |
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ECHA InfoCard |
100.028.996 |
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RTECS number |
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UNII |
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特性 |
化学式 |
AgF |
モル質量 |
126.87 g mol−1 |
外観 |
黄褐色の固体 |
密度 |
5.852 g/cm3 (15 °C) |
融点 |
435 °C, 708 K, 815 °F |
沸点 |
1159 °C, 1432 K, 2118 °F |
水への溶解度 |
85.78 g/100 mL (0 °C) 119.8 g/100 mL (10 °C) 179.1 g/100 mL (25 °C) 213.4 g/100 mL (50 °C)[1] |
溶解度 |
83g/100 g (11.9 °C) フッ化水素 1.5g/100 mL メタノール(25 °C)[2] |
磁化率 |
−36.5·10−6 cm3/mol |
構造 |
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立方晶系 |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
−206 kJ/mol[1] |
標準モルエントロピー So |
83.7 J/mol·K[1] |
標準定圧モル比熱, Cpo |
48.1 J/mol·K[1] |
危険性 |
労働安全衛生 (OHS/OSH): |
主な危険性 |
Corrosive |
GHS表示:[3] |
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Danger |
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H314 |
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P260, P280, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310 |
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) |
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関連する物質 |
その他の 陰イオン |
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その他の 陽イオン |
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関連物質 |
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特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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フッ化銀(I) は、多重結合に対してフッ素を付加させる際に広く用いられている。たとえば、フッ素で置換されたアルケン
に対してアセトニトリル中でフッ化銀(I)を作用させると、有機銀誘導体が得られる[5]。

1価以外のフッ化銀も存在する(記事 フッ化銀 を参照のこと)。