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ブラック・フォン

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ブラック・フォン』(The Black Phone)は、2022年アメリカ合衆国サイコスリラー映画スティーヴン・キングの息子、ジョー・ヒル原作の短編ホラー小説「黒電話」の映画化。監督はスコット・デリクソン、主演はイーサン・ホーク[7]とメイソン・テムズ[8]など。

概要 ブラック・フォン, 監督 ...
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ストーリー

1978年。コロラド州デンバー郊外に住むフィニーは気弱な少年で、家庭では高圧的な父親に怯え、学校では、いじめグループの標的にされていた。フィニーの町では、“グラバー”と呼ばれる謎の犯人による、少年の連続誘拐事件が続いていた。

フィニーの妹グウェンは、亡き母親譲りの予知夢を見る能力があり、誘拐現場を描写して刑事たちを驚かせた。しかし、父親は超能力を頭から否定し、夢の話をすると折檻されるのがグウェンの悩みだった。

手品師を名乗る“グラバー”に拐われ、地下室に監禁されるフィニー。その部屋には断線した黒電話とマットレスしか無かった。繋がらないのに鳴る黒電話。かけて来たのは、この部屋で殺された少年たちの霊だった。各々、自分が試した脱出方法を伝える少年たち。

妹のグウェンは予知夢によって、フィニーの監禁場所を探していた。殺された少年たちの手を借りて、“グラバー”の家を探し出すグウェン。パトカーも集まる中、“グラバー”を倒したフィニーが現れた。

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キャスト

※括弧内は日本語吹替。

  • フィニー・ブレイク: メイソン・テムズニケライ・ファラナーゼ) - 主人公。少年野球のピッチャーで、自作ロケットの打ち上げが趣味。
  • グウェンドリン・ブレイク: マデリーン・マックグロウ英語版工藤夕希) - フィニーの妹。予知夢を見ることができる。愛称はグウェン、グウェニー。
  • テレンス・ブレイク: ジェレミー・デイヴィスあべそういち) - フィニーとグウェンの父親。核施設のロッキーフラッツに勤務している。
  • グラバー: イーサン・ホーク咲野俊介) - 誘拐犯。原作での本名はアルバート。
  • マックス: ジェームズ・ランソン伊丸岡篤) - グラバーの弟。
  • ライト刑事: E・ロジャー・ミッチェル英語版片山公輔) - 誘拐事件を捜査している。
  • ミラー刑事: トロイ・ルードシール(石川貴大) - ライトの相棒。
  • ロビン・アレラーノ: ミゲル・カサレス・モーラ(内藤有海) - フィニーの親友。ケンカが強い。
  • ブルース・ヤマダ: トリスタン・プラヴォン(篠田渚王也) - 少年野球の選手。
  • ヴァンス・ホッパー: ブレイディ・ヘプナー(植田恭司) - ブロンドパーマの不良少年。
  • ビリー・ショーウォルター: ジェイコブ・モーラン(蝦名彩香) - 新聞配達の少年。
  • グリフィン・スタッグ: バンクス・レペッタ(飯野美紗子) - グラバーの犠牲者の一人。
  • ムース: ジェイコブ・ゲイヴン・ワイルド(木村太飛) - ロビンとケンカをする少年。
  • ドナ: レベッカ・クラーク(井田愛里紗) - フィニーが片思いしている少女。
  • マット: ブレイディ・M・ライアン(大平あひる) - マッティ、パズとともにフィニーをいじめる少年。
  • マッティ: ジョーダン・アイザイア・ホワイト(池田朋子
  • バズ: スペンサー・フィッツジェラルド(戸張琴子
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作中作

本作の舞台となる1978年までに製作された映像作品が、作中作として登場している。

原作

ジョー・ヒルの原作短編『黒電話』は、2004年に英国のホラー雑誌であるサード・オルタナティブ英語版誌に掲載され、その後、2005年に彼の短編集『20世紀の幽霊たち[9][10]に収録され、イギリスの出版社より発刊された。この短編集は3種類[注 1]の形態の限定版として発売された。その後、2007年にアメリカの出版社より、普及版[注 2]のハードカバーも発売されている。 日本語訳は2008年に小学館より発刊。

本短編は、必要以上に長くしたくないというヒルの意向で、雑誌掲載時に最終章の数ページが削除されている。この削除部分は『黒電話[削除部分]』として、200部限定のハードカバー版にボーナス・マテリアル[注 3]として収録された。日本語訳版にもこの削除部分は収録[注 4]されている。

また、収録作品についてのノートのなかで、この短編がSF作家ジャック・フィニイと関連があることを挙げている。

相違点

原作の舞台はイリノイ州ゲイルズバーグで、誘拐犯は“ゲイルズバーグの人さらい”[注 5]と呼ばれている。犯人の本名はアルバートで、外見は肥満体の男となっている。また、主人公はジョン・フィニイという名前の13歳の少年で、両親ともに健在。妹のグウェンは登場せず、替わりに3歳年上のスザンナという名の姉が登場する。物語は主人公が誘拐される場面から始まり、学校内などでの描写はない。主人公が断線した電話で通話をするのは、原作ではブルース・ヤマダのみであるなどの違いがある。

原作の物語は、地下室内の描写と主人公の回想や想像のみで展開し、事件を捜査する刑事などは登場しない。ただし、映画版での主人公と誘拐犯のやり取りは、原作の会話の内容を、ほぼそのまま踏襲している。

削除部分

雑誌掲載されなかった削除部分では、3年後、16歳になった主人公が描かれる。彼が携帯電話を持つことから、原作の時代背景は、携帯電話の普及後である1990年代以降であることが分かる。
また、誘拐犯のフルネームがアルバート・クロスで、パーティー用品店の副支配人であったことなども明らかとなる。

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評価

Rotten Tomatoesによれば、255件の評論のうち高評価は83%にあたる211件で、平均点は10点満点中7.1点、批評家の一致した見解は「『ブラック・フォン』はもっと怖くできたかもしれないが、恐ろしいほど優れた原作を、いい演技でおもしろく映画化したものであることに変わりはない。」となっている[11]Metacriticによれば、38件の評論のうち、高評価は23件、賛否混在は12件、低評価は3件で、平均点は100点満点中65点となっている[12]

続編

2023年4月のシネマコンで、ジェイソン・ブラムは本作をブラムハウス・プロダクションズフランチャイズの1つとし、続編の計画を発表した[13]。続編はユニバーサル・ピクチャーズ配給で、2025年6月27日に公開予定であったが延期され[14]、2025年10月17日に米国で公開予定となっている[15]

2023年にアメリカで配信された映画『V/H/S/85英語版』(日本未公開、『V/H/S シンドローム』のシリーズ続編)内のエピソード、「Dreamkill」にグウェンのいとこのガンサー・ブレイクが登場しており、彼もグウェン同様に予知夢を見ることができる。なお、監督は本作と同じスコット・デリクソンが務めており、ガンサーを演じるダシール・デリクソンは彼の息子で『ブラック・フォン』にも出演している[注 6][16]

脚注

外部リンク

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