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プレイアデス

ギリシア神話に登場する7人姉妹 ウィキペディアから

プレイアデス
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プレイアデス古希: Πλειάδες, Pleïades)またはプレーイアデス古希: Πληιάδες, Plēïades)は、ギリシア神話に登場する7人姉妹。一部の ει長母音とする古い発音からプレーアデスとも。また綴りは Peleiades とも。これらは複数形で、単数形はプレイアス (Πλειάς, Pleias) またはプレーイアス (Πληιάς, Plēias)。また逆に、Πλειάδεςプレイアスたちなどとも訳す。

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エリュー・ヴェッダー1885年の絵画『プレイアデス』。メトロポリタン美術館所蔵。

ティーターン族のアトラースと、海のニュンペーであるプレーイオネーとの間の7人娘であり、アルカディア地方のキュレーネー山で生まれた。カリュプソーヒュアースヒュアデスヘスペリデスとは姉妹で、一説にカリュプソーとディオーネーをプレイアデスに含める[1](この場合ディオーネーはアトラースの娘とされる)。

プレイアデス姉妹は狩猟と貞潔の女神アルテミスの侍女であり、ヒュアデスの7人姉妹と共に、幼いディオニューソスの乳母兼教師を務め、アトランティデス (Ἀτλαντίδες, Atlantides)、ドードーニデス (Δωδωνίδες, Dodonides)、ニューシアデス (Νυσιάδες, Nysiades) と呼ばれた。

あるいは一説に、アマゾーンの女王の姉妹だという[1]。この場合の姉妹の名はよく知られた7姉妹とは異なる。

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語源

プレイアデスという名前の起源については、いくつかの説がある。かつては、彼女らの母プレーイオネーから来たものと考えられていた。しかしプレイアデスの名は、むしろ「πλεîν(出航)」から来たものと思われる。なぜなら、プレアデス星団地中海で見られるのは夏の夜、5月の中旬から11月の初めにかけてであり、これは古代においては航海の時期に当たるからである。この起源は、ウェルギリウスをはじめ[2]、古代文明諸国で認められていた。

7姉妹

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プレイアデス7姉妹のうち、メロペーを除いた6人が、ゼウスポセイドーンアレースなど、オリンポスの重要な男性神と交わり、子を産んだ。

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星の神話

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ウィリアム・アドルフ・ブグロー1884年の絵画『恥じたメロペー』。個人蔵。

プレイアデスは、プレアデス星団の7つ星と同一視される。『カタステリスモイ』などによる、彼女ら姉妹が星になる物語は、プレイアデスに関する神話のうち最も印象深いものの1つである。ただしこれは元からあった神話ではなく、天体図から生まれた説話のようである[9]

アトラースが天を背負う役目を負わされた後、オーリーオーンがプレイアデス全員を追いかけ回すようになった。ゼウスは彼女らを初めはハトに、ついでその父を慰められるようプレイアデスを星に変えた。オリオン座はいまだプレアデス星団を追って夜空を回っているという。

物語にはいくつかのバージョンがあり、7姉妹全員が死に至ったのは、父アトラースの運命と姉妹ヒュアデスの喪失を嘆くあまりだという。そこで最高神ゼウスが、姉妹を空に置いて不死性を与え、彼女ら7つの星はプレアデス星団として知られるようになった。

プレアデス星団は6つの星の輝きは明るく見えるのに比べ、7つめの星メロペーは暗く見える[注釈 1]。これは、人間と交わったことを永劫に恥じてぼんやりと輝くのだとも、輝きの鈍い星はダルダノスの死を悼むエーレクトラーであるともいう[11]。また別の神話ではアステロペーであるともいう。

ヘーシオドスより

古代ギリシア詩人ヘーシオドスは叙事詩『仕事と日』の中で幾度か、プレイアデスに言及している[12][13][14][15]

プレイアデスは主に冬の星であり、古代の農業暦において非常に大きな役割を果たす。以下にヘーシオドスの言葉を挙げる:

そしてもし嵐の海を渡ろうという望みが汝を捕らえたとしても
プレイアデスが強大なオーリーオーンを避け
深い霧の奥に潜り
激しい風が荒れ狂うなら
汝の船を暗紅色の海に出してはならぬ
しかし我が言のとおり忘れずに地を耕すのだヘーシオドス『仕事と日』618行-623行。

プレアデス星団がオーリーオーンを避け深い霧の奥に潜って西にある時期、春の夕方早くは、一年で地を耕すのにちょうどよい時間になる。

脚注

参考文献

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