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ボルチモア級重巡洋艦

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ボルチモア級重巡洋艦
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ボルチモア級重巡洋艦(ボルチモアきゅう じゅうじゅんようかん、Baltimore class)は、アメリカ海軍重巡洋艦の艦級。ボルティモア級重巡洋艦とも呼ばれる。

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1937年ワシントン海軍軍縮条約失効後、条約の制限に縛られず建造された重巡洋艦である。排水量は14,000トンを超え、排水量が増大した分、防御力は列強の建造した巡洋艦で一、二を争う強固さを誇った。

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概要

前級であるウィチタ級重巡洋艦の設計思想を引き継ぎ、55口径8インチ3連装砲3基を備え、水上戦闘能力は当時の水準に達していた。また、ウィチタ級よりも船体のサイズは大きかったため、副砲群は5インチ単装8基から38口径5インチ連装砲6基に増強され、有効な対空砲火を提供した。装甲はウィチタ級の5インチ、ニューオーリンズ級の5.75インチから6インチ(舷側)に増強し、船体の拡大と合わせて排水量は9,000トンクラスの条約型重巡洋艦から一気に14,000トンまで増加したが、速度には影響を及ぼしていない。さらに、56口径40mm機関砲(4連装)や55口径20mm機関砲(連装、単装)を多数揃えることで近接対空砲火にも優れ、対艦と対空の双方をこなすことができる汎用艦であった。

1941年から建造が開始され、太平洋戦争中の1943年から1945年にかけて完成した。竣工後は要人輸送、機動部隊の護衛、攻略作戦の火力支援(艦砲射撃)、戦隊旗艦など様々な任務に従事した。

後期の建造艦は、改良型として上部構造物や煙突の設計が異なっており、オレゴン・シティ級と分類されることもある。派生型として、船体を流用して建造されたサイパン級航空母艦がある。

戦後、「ボストン」および「キャンベラ」はミサイルを搭載してボストン級ミサイル巡洋艦に改装され、1970年代後半まで現役だった。また一部の艦は大改装を施され、オールバニ級ミサイル巡洋艦として再就役している。

詳細の艦歴は各艦の記事を参照。

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兵装

要約
視点

主砲

主砲は前級と同じく8インチ55口径砲を3連装砲塔3基9門を備えている。砲身はMk.12またはMk.15だったが性能的な差異は無く、重量335lbs (151.95kg) の徹甲弾を砲口初速2,500fps (762m/s) で発射し30,000yd (27,432m) まで到達させる能力を持っていた。

さらに見る 主砲諸元, 砲身 ...

副砲・対空火器・その他

就役当初は大戦中の多くの艦艇と同様に5インチ38口径連装砲Bofors 40mm機関砲Oerlikon 20mm機関砲の3つで構成されており、基本的な構成として5インチ砲を連装6基12門、40mm機関砲を4連装12基48門、20mm機関砲を単装28基28門搭載した。戦後の改装時には特攻機に対して有効性の低かった20mm機関砲を撤去し、40mm機関砲からVT信管弾頭対応の3インチ連装両用砲への換装が行われた。

また、ボストン級及びオールバニ級として大規模改装が実施された艦艇にはRIM-2 TerrierRIM-8 TalosRIM-24 Tartarなどの艦対空ミサイルRUR-5 ASROC対潜ロケットが搭載され、USS ToledoUSS MaconUSS HelenaUSS Los Angelesの4隻ではSSM-N-8 Regulusの試験運用もなされた。

さらに見る 兵装諸元, 兵装 ...
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同型艦

原型(ボルチモア級)

  1. ボルチモア (USS Baltimore, CA-68)
  2. ボストン (USS Boston, CA-69/CAG-1)
  3. キャンベラ (USS Canberra, CA-70/CAG-2)
  4. クインシー (USS Quincy, CA-71)
  5. ピッツバーグ (USS Pittsburgh, CA-72)
  6. セントポール (USS St. Paul, CA-73)
  7. コロンバス (USS Columbus, CA-74/CG-12)
  8. ヘレナ (USS Helena, CA-75)
  9. ブレマートン (USS Bremerton, CA-130)
  10. フォール・リバー (USS Fall River, CA-131)
  11. メイコン (USS Macon, CA-132)
  12. トレド (USS Toledo, CA-133)
  13. ロサンゼルス (USS Los Angeles, CA-135)
  14. シカゴ (USS Chicago, CA-136/CG-11)
  15. ノーフォーク (USS Norfolk, CA-137)(未成艦)
  16. スクラントン (USS Scranton, CA-138)(未成艦)

改良型(オレゴン・シティ級)

  1. オレゴン・シティ (USS Oregon City, CA-122)
  2. オールバニ (USS Albany, CA-123/CG-10)
  3. ロチェスター (USS Rochester, CA-124)
  4. ノーザンプトン (USS Northampton, CA-125/CLC-1/CC-1)
  5. ケンブリッジ (USS Cambridge, CA-126)(未成艦)
  6. ブリッジポート (USS Bridgeport, CA-127)(未成艦)
  7. カンザス・シティ (USS Kansas City, CA-128)(未成艦)
  8. タルサ (USS Tulsa, CA-129)(未成艦)

派生型

ボストン級ミサイル巡洋艦
2番艦「ボストン」および3番艦「キャンベラ」を改装した、アメリカ海軍初のミサイル巡洋艦。後部砲塔および上部構造物を撤去して、テリア・システムを搭載している。
オールバニ級ミサイル巡洋艦
7番艦「コロンバス」、14番艦「シカゴ」および改良型であるオレゴン・シティ級2番艦「オールバニ」を改装したミサイル巡洋艦。大規模改装工事によって上部構造を一新し、タロス長距離ミサイルとターター短距離ミサイルの2種類の対空ミサイルシステム、及びASROCを搭載している。
サイパン級航空母艦
船体を流用して建造された軽空母。のちに航空機運搬艦(AVT)、通信中継艦(AGMR)、指揮艦(CC)に艦種変更された。

これらの他に、オレゴン・シティ級4番艦「ノーザンプトン」が戦争末期に建造が中断された後、戦術指揮艦(CLC)として設計及び艦種変更が実施されて建造再開・就役している。後に再改装が行われて指揮艦(CC)に艦種変更された。

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登場作品

危険な道
主人公が乗艦する巡洋艦役で「セントポール」が登場。真珠湾攻撃時に湾外にいたことで攻撃を免れたため、残存艦を率いて日本海軍機動部隊を攻撃しようとするが、日本海軍の潜水艦からの魚雷攻撃を受けて損傷する。そのため、しばらくはドック入りして修理中だったが後半で戦線に復帰し、主人公が再び乗艦して日本海軍と戦闘を繰り広げる。
撮影には、アメリカ海軍の全面協力で実物が使用されており、実際の砲撃シーンなどが映されている。

脚注

関連項目

外部リンク

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