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ポール・アンダースン
アメリカ合衆国の作家 ウィキペディアから
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ポール・ウィリアム・アンダースン(Poul William Anderson、1926年11月25日 - 2001年7月31日)は、アメリカ合衆国の小説家、SF作家。北欧系で、名のPoulは英語名のPaulとは異なる。姓はアンダーソンと表記することもある。ファンタジーや歴史小説もいくつか書いている。ヒューゴー賞を7度、ネビュラ賞を3度など、様々な賞を受賞している。
多作かつ「はずれのない作家」と言われる。ハードSFの書き手として知られ、相対論的効果を正面から扱った『タウ・ゼロ』は評判となった。他にはタイム・パトロールものの古典『タイム・パトロール』なども有名。作品の一部は「惑星間協調機関」(The Psychotechnic League)シリーズという独自の未来史を形成していた(日本語にはあまり訳されていない)。「リアリティーを高めるため、常に五感のうちの三つ以上に言及する」という独自の手法を持っていた。
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生涯
1926年11月25日、ペンシルベニア州ブリストルで生まれる。誕生後まもなく一家はテキサス州に引越し、10年以上を過ごした。父が亡くなると、未亡人となった母は子供たちをつれてデンマークに帰国した。アメリカに戻ったのは第二次世界大戦勃発後で、ミネソタ州の農場に落ち着いた。
ミネソタ大学で物理学を専攻し、1948年に卒業。しかし、物理学者になろうとはしなかった。というのも大学在学中の1947年、『アスタウンディング』誌に発表した「明日の子供たち」(F・ウォルドロップと共作)で作家デビューしていたためである。大学卒業後はフリーランスのライターとして働き始めた。長編第1作『脳波』は1951年に出版された。
1953年、カレン・クルーゼと結婚し、サンフランシスコのベイエリアに引っ越した。1954年に生まれた一人娘は、後にSF作家グレッグ・ベアと結婚した。後にバークレーにほど近いカリフォルニア州オリンダに家を建て、亡くなるまでそこで過ごすことになった。
1960年代にはヒロイック・ファンタジー作家のグループ Swordsmen and Sorcerers' Guild of America の一員としてファンタジー小説も書き、リン・カーターのアンソロジー Flashing Swords! に掲載されている。1966年、中世ヨーロッパの文化を研究・再現する団体 Society for Creative Anachronism の創設に関わった。
1972年、アメリカSFファンタジー作家協会の第6代会長を務めた。
ロバート・A・ハインラインの1985年の小説『ウロボロス・サークル』の献辞にある「ポウル」はポール・アンダースンのことである[2][3]。
癌のため1か月間入院したのち、2001年7月31日に死去[4]。
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受賞歴
- ガンダルフ賞グランドマスター賞 (en)(1978年)
- ヒューゴー賞
- 短編「長い旅路」(1961年)
- 短編「王に対して休戦なし」(1964年)
- 中編『肉の分かち合い』(1969年)
- 中長編『空気と闇の女王』(1972年)
- 中編『トラジェディ』(1973年)
- 中編 Hunter's Moon(1979年)
- 中長編 The Saturn Game(1982年)
- ジョン・W・キャンベル記念賞
- Genesis (2001年)[5]
- ローカス賞
- 短編『空気と闇の女王』(1972年) [6]
- ネビュラ賞
- 中編 『空気と闇の女王』(1971年)
- 中編 『トラジェディ』(1972年)
- 中長編 The Saturn Game(1981年)
- プロメテウス賞
- 殿堂賞 Trader to the Stars(1985年)
- The Stars are also Fire(1995年)
- 殿堂賞 The Star Fox(1995年)
- 特別賞 (2001年)
- SFWA グランド・マスター賞(1997年)
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評価
作品リスト
要約
視点
単発長編
- 『脳波』(Brain Wave(1954)、山田純訳、元々社、最新科学小説全集14) 1956、のち林克巳訳、ハヤカワSFシリーズ 1962、のちハヤカワ文庫 1978
- 『折れた魔剣』(The Broken Sword(1954)、関口幸男訳、ハヤカワ文庫SF) 1974、のち新訳 2005
- 『鳥人大戦争』(War of the Wing-Men(1958)、関口幸男訳、双葉社、双葉ノベルス) 1981
- 『敵の星』(The Enemy Stars(1959)、岡部宏之訳、ハヤカワSFシリーズ) 1969
- 『天翔ける十字軍』(The High Crusade(1960)、豊田有恒訳、ハヤカワSFシリーズ) 1966、のちハヤカワ文庫SF 1980
- 『無限軌道』(Orbit Unlimited(1961)、浅倉久志訳、ハヤカワSFシリーズ) 1969
- 『魔界の紋章』(Three Hearts and Three Lions(1961)、豊田有恒訳、ハヤカワSFシリーズ)1970、のちハヤカワ文庫SF 1978
- 『たそがれの地球』(Twilight World(1961)、船戸牧子訳、ハヤカワSFシリーズ) 1971
- 『審判の日』(After Doomsday(1963)、砧一郎訳、ハヤカワSFシリーズ) 1964
- 『最後の障壁』(Shield(1963)、井上一夫訳、ハヤカワSFシリーズ) 1964
- 『時の歩廊』(The Corridor of Time(1965)、浅倉久志訳、ハヤカワSFシリーズ) 1967、のちハヤカワ文庫SF 1979
- 『タウ・ゼロ』(Tau Zero(1970)、浅倉久志訳、創元SF文庫) 1992 - 1993年星雲賞受賞
- 『大魔王作戦』(Operation Chaos(1971)、浅倉久志訳、ハヤカワ文庫SF) 1983
- 『焦熱期』(Fire Time(1974)、関口幸男訳、ハヤカワ文庫SF) 1983
- 『アーヴァタール』上・下(The Avatar(1978)、小隅黎訳、創元推理文庫) 1981
- 『百万年の船』1 - 3(The Boat of a Million Years(1989)、岡部宏之訳、ハヤカワ文庫SF) 1993 - 1994
「惑星間協調機関」シリーズ
- 『銀河よ永遠なれ』(The Star Ways(1956)、三田村裕訳、ハヤカワ文庫SF)1973
- 『処女惑星』(Virgin Planet(1959)、榎林哲訳、創元推理文庫) 1970
「タイム・パトロール」シリーズ
- 『タイム・パトロール』(Guardians of Time(1960)、深町眞理子, 稲葉明雄訳、ハヤカワSFシリーズ) 1966、のち早川書房 世界SF全集21 1971、のちハヤカワ文庫SF 1977
- 『タイム・パトロール / 時間線の迷路』上・下(The Shield of Time(1990)、大西憲訳、ハヤカワ文庫SF) 1995
「ドミニク・フランドリイ」シリーズ
- 『地球帝国秘密諜報員』(Agent of the Terran Empire(1965)、浅倉久志訳、ハヤカワ文庫SF) 2006
- 「虎口を逃れて」「地球諜報員」「謎の略奪団」「好敵手」「名誉ある敵」「<天空洞>の狩人たち」
「ホーカ」シリーズ
→詳細は「ホーカ・シリーズ」を参照
(ゴードン・R・ディクスンとの共著)
短編集
- 『地球人よ、警戒せよ!』(Strangers from Earth(1961)、榎林哲訳、創元推理文庫) 1971
- 「地球人よ、警戒せよ!」「野生の児」「ドン・キホーテと風車」「宇宙のジプシー」「さしあたり」「火星上の決闘」「運命の野獣」「分解する空」「宇宙の群盗」
ジュブナイル
- 『五百年後の世界』(Vault of the Ages(1952)、平田みつ子訳、石泉社/銀河書房、少年少女科学小説選集4) 1956 、のち改題『タイム・カプセルの秘密』(内田庶訳、岩崎書店、エスエフ少年文庫16) 1972、のち岩崎書店フォア文庫 1981、のち岩崎書店 SFロマン文庫16 1986、のち岩崎書店 SF名作コレクション16 2006
※以上の他に、日本語訳が未刊の作品が多少ある。
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小説への登場
フィリップ・K・ディックの「水蜘蛛計画」にはポール・アンダースンが主要キャラクターとして登場している。
脚注・出典
参考文献
外部リンク
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