ヨウ化水素酸

ヨウ化水素酸(Hydroiodic acid)は、ヨウ化水素の無色の水溶液である。強酸で、水溶液中では完全に電離する。濃縮溶液は、通常、48-57%のヨウ化水素を含む^[2]。

ヨウ化水素酸の酸化溶液

ヨウ化水素酸

Space-filling model of hydrogen iodide Space-filling model of water
The iodide anion Space-filling model of the hydronium cation
物質名
IUPAC名 Iodane[1]
別名 Hydronium iodide
識別情報
CAS登録番号	10034-85-2
3D model (JSmol)	Interactive image
ChEBI	CHEBI:43451
ChemSpider	23224
EC番号	233-109-9
PubChem CID	24841
RTECS number	MW3760000
UNII	694C0EFT9Q
InChI InChI=1S/BrH/h1H  Key: CPELXLSAUQHCOX-UHFFFAOYSA-N  InChI=1/BrH/h1H Key: CPELXLSAUQHCOX-UHFFFAOYAZ
SMILES I
性質
化学式	HI(aq)
モル質量	127.91 g/mol
外観	無色液体
匂い	acrid
密度	1.70 g/mL, 共沸 (57% HI)
沸点	127 °C (261 °F; 400 K) 1.03 bar, 共沸
水への溶解度	水溶液
酸解離定数 pKa	-9.3
危険性
GHS表示:
絵表示
重要な用語	Danger
危険性報告	H314
予防報告	P260, P264, P280, P301+P330+P331, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P321, P363, P405, P501
NFPA 704（ファイア・ダイアモンド）	3 0 0 ACID
引火点	Non-flammable
関連する物質
その他の 陰イオン	フッ化水素酸 塩化水素酸 臭化水素酸
関連物質	ヨウ化水素
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

反応

空気中の酸素と反応し、ヨウ素を生じる。

4 HI + O₂ → 2 H₂O + 2 I₂

他のハロゲン化水素と同様に、アルケンに付加してヨウ化アルキルを生じる。また、芳香族ニトロ化合物からアニリンへの還元等の際に還元剤としても用いられる^[3]。

カティバ法

カティバ法は、ヨウ化水素酸の主要な用途の一つであり、メタノールのカルボニル化による酢酸生産の助触媒として機能する^[4][5]。

カティバ法の触媒サイクル

違法利用

エフェドリンやプソイドエフェドリンからのメタンフェタミン合成の際の還元剤として用いることができるため、アメリカ麻薬取締局のDEAリストIに掲載されている^[6]。