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ヨタカ科

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ヨタカ科
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ヨタカ科 (ヨタカか、学名 Caprimulgidae) は、鳥類ヨタカ目の科である。

概要 ヨタカ科, 分類 ...

ヨタカ(怪鴟・夜鷹)と総称されるが[1]、狭義にはその1種をヨタカと呼ぶ。

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特徴

全世界の中低緯度に生息する。

全長19–29cm[1](くちばし)は小さいが、は上下にも左右にも大きく、目の下まで伸びる。口の周りには剛毛がある。黒・褐色・灰色などの地味の羽色だが、複雑な模様がある。

夜行性で、飛びながら昆虫捕食する。木のに対し平行に泊まる。羽音を立てずに静かに飛ぶことができる。

系統と分類

要約
視点

系統樹Han (2006)[2]Han et al. (2010)[3]より。属は彼らの提案によるものを使った。

アマツバメヨタカ類

タチヨタカ科 Nyctibiidae

アブラヨタカ科 Steatornithidae

ガマグチヨタカ科 Podargidae

ヨタカ科

ヒゲナシヨタカ属 Eurostopodus

ミミヨタカ属 Lyncornis

ヨタカ科
sensu S&A

キエリヨタカ Gactornis

core
caprimulgids
NW1

アンチルコヨタカ属 Siphonorhis

コモンヨタカ属 Nyctiphrynus

Antrostomus

NW2

アメリカヨタカ属 Chordeiles

NW3

ハサミオヨタカ属 Hydropsalis

OW

ヨタカ属 Caprimulgus

アマツバメ目 Apodiformes

ヨタカ科はヨタカ目の1科だが、ヨタカ目は側系統であり、系統的にはヨタカ科はアマツバメヨタカ類 Cypselomorphae 内の1系統となる。他の科との系統関係は不確実だが、アマツバメ目との姉妹関係が弱く支持されている[4]

ヨタカ科の中ではまず基底的なヒゲナシヨタカ属・ミミヨタカ属・キエリヨタカがこの順に分岐した。ただし、ヒゲナシヨタカ属(+ミミヨタカ属 ?)は他のヨタカ科と別系統だとする説もある[5]。これらの基底群が分岐した残りの core caprimulgids は4つの系統に分かれ、そのうち1つ OW は旧世界 (Old World) とオーストラリア区に、他の3つ NW1–3 は新世界 (New World) に生息する。

ヨタカ科の属分類は流動的で、近年は15属に分けられてきた。しかし、少なからぬ属が非単系統であり、Han; Han et al. は系統的な9属に再編した。一方、彼らが1属としたNW3についてAOU南アメリカ命名委員会 (SACC) は、彼らの案だけでなく系統的な数属に再編する案にも言及している(ただしどちらも採用されなかった)[6]国際鳥類学会議 (IOC) は2011年に彼らの提案の一部を採用した。

中でも、最大のヨタカ属 Caprimulgus は、主に旧世界に棲息する属だが、かつて Antrostomus模式種チャックウイルヨタカ)または Setochalcis とされてきた新世界のグループが統合された (Peters 1940)。現行のヨタカ属は、OW・NW1・NW3・基底群に分散した多系統であり、Han; Han et al. はOW以外の種を別の属に分離・再分離・移動した。

ヨタカ亜科とヒゲナシヨタカ亜科

ヨタカ科は伝統的には口蓋などの特徴から、ヨタカ亜科(ヨーロッパヨタカ亜科)Caprimulginae (nightjars) とアメリカヨタカ亜科 Chordeilinae (nighthawks) に分けられていた (Peters 1940)。しかしこの分類は系統的ではなく、nightjars は側系統で、nighthawks はNW2とNW3内の2つの小系統の計3系統で収斂進化した多系統である。

ヒゲナシヨタカ属とミミヨタカ属は従来はヒゲナシヨタカ属にまとめることが多く、伝統的にヨタカ亜科とされた。また他に、アメリカヨタカ亜科に移す説 (Holyoak 2001)、ヒナゲシヨタカ亜科 Eurostopodinae に分離して科の残りをヨタカ亜科 Caprimulginae にまとめる説 (Barrowclough et al. 2006)、科レベルでヒナゲシヨタカ科 Eurostopodidae に分離する説 (Sibley & Ahlquist 1990) などもあった。

歴史

19世紀までは、現在のヨタカ目(および現在はアマツバメ目とされるズクヨタカ科 Aegothelidae)全体がヨタカ属とされ、単型科ヨタカ科を構成していた。それらは19世紀初頭に5科に分割された[2]

Sibley & Ahlquist (1990) では、ヨタカ科とそれから分離したヒゲナシヨタカ科はそれぞれ単型のヨタカ上科 Caprimulgoidea とヒゲナシヨタカ上科 Eurostopodoidea を作り、それらは合わせてヨタカ小目 Caprimulgida とされていた。

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属と種

要約
視点

現生種は国際鳥類学会議 (IOC)[7]による。絶滅種(ただしIUCNレッドリストはまだ絶滅としていない)ジャマイカコヨタカを追加した。和名は厚生労働省[8]などより。

上位分類は Han et al. (2010)[3]による。彼らによる新しい属の分類を各節に記した。

現生17属(Han et al. では9属)92種。

基底群

互いには類縁関係にない基底的なグループ。Han et al. はヒゲナシヨタカ属からミミヨタカ属 Lyncornis が(分離する説は以前からある)、ヨタカ属からキエリヨタカ属 Gactornis を分離した。ただしIOCはキエリヨタカ属を分離していない。

NW1

Hann et al. は、ヨタカ属の一部を Antrostomus に再分離し、プアーウィルヨタカ Phalaenoptilus をそこへ統合した。ただし今後の研究によりプアーウィルヨタカ属は復活する可能性があり、IOCはプアーウィルヨタカ属を統合していない。

NW2

Hann et al. は全てアメリカヨタカ属 Chordeiles に統合した(統合する説は以前からある)。

NW3

Hann et al. は全てハサミオヨタカ属 Hydropsalis に統合した。ただしナンベイオナガヨタカ Macropsalis はサンプリングされておらず系統位置には疑問もある。IOCはこの系統の分類を再編していない。

OW

Hann et al. は全てヨタカ属 Caprimulgus に統合した。チャイロヨタカは従来からヨタカ属に含める説もあるが、サンプリングされておらず系統位置には議論がある。IOCはこの系統の分類を再編していない。

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出典

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