三窒素

三窒素(Trinitrogen)またはアジドラジカル(Azide radical)は、3つの窒素原子から構成される不安定な分子である。二重結合と電荷を持つ線形と、環状の2つの配置が可能であり、どちらも非常に不安定である。より安定な誘導体も存在し、リガンドとして働いたり、アジ化ナトリウムとヘキサニトラトセリウム(IV)酸アンモニウムの反応(azido nitration)に参加したりする^[1][2]。

三窒素

物質名
別名 Azide radical
識別情報
CAS登録番号	linear: 12596-60-0
3D model (JSmol)	linear: Interactive image cyclic: Interactive image
ChEBI	linear: CHEBI:29448
ChemSpider	linear: 5256999
Gmelin参照	770
PubChem CID	linear: 6857664 cyclic: 71328875
CompTox Dashboard (EPA)	linear: DTXSID801315735
InChI InChI=1S/N3/c1-3-2 Key: DUAJIKVIRGATIW-UHFFFAOYSA-N cyclic: InChI=1S/N3/c1-2-3-1 Key: RLXSTAGCZQYHDL-UHFFFAOYSA-N
SMILES linear: [N-]=[N+]=[N] cyclic: N1=N[N]1
性質
化学式	N3
モル質量	42.021 g·mol−1
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

線形のN₃は1956年にアジ化水素の光分解によって^[3]B. A. Thrushにより^[4]発見された。線形対称分子で、D_∞h分子対称性を持ち、N-N長は平均1.8115Åである。第一励起電子状態A²Σ_uは基底状態より4.56 eV高い^[5]。

環状のN₃は2003年にアジ化塩素の紫外線光分解によってN. HansenとA. M. Wodtkeにより確認された。この反応では大部分が線形であるが、20%は環状になる^[4][5]。