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卑怯者の島
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概要
ペリリュー島での日本軍の戦いをモデルとしたストーリーで、戦争における兵士の心理描写と戦闘シーンが描かれている。2009年に休刊になったわしズムという雑誌に連載されていた作品だったが、戦後70年を迎えた2015年に多数の書下ろしが行われたことにより完遂をしたという作品[2]。
戦後70年の節目に、初の戦場でのストーリーに挑んだという作品。この作品の舞台は天皇皇后両陛下も訪問したことのあるパラオのペリリュー島が想定された南の島。主人公は日本兵で、壮絶な戦闘シーンと極限の人間のドラマが描かれる。この作品では日本の戦争ドラマにありがちな、お涙頂戴などは排除され、戦争のリアルのみが追及されている[3]。
これまでの終戦記念日の前後に見られてきた戦争を題材とした映画やドラマは主人公は立派な青年で命をかけて戦った悲しく美しく描かれてきた作品がほとんどであったのに対して、本書では人と人が殺しあう狂気の戦場で兵士たちはどのような心理状態であったのかを、綺麗ごとでは済まされないことであったはずのことが描かれている。500ページにもわたり壮絶な戦闘シーンと極限の世界観が描かれている[4]。
戦場のリアリティというのは一瞬先の勇敢か卑怯かすら見えないとのことであり、誰もが卑怯者であるということを余儀なくされるとのこと[5]。
著者のサイトでは送られてきた感想に対しては、読む人ごとに、そして同じ人でも読むたびに見えてくるものが変わっているとしている。そしてそのいずれもが戦争の実相を考えさせるとしている[6]。
平山周吉はこの作品を、読者だけでなく日本人全体を拉致する作品と評する。連れ去られる先は玉砕の島の洞窟の中で、そこは絶望のど真ん中とする。戦後の平和を当たり前に受けてきた身では、紙面で描かれてきた膨大な死闘と死体を見続けた先に、やっと兵隊たちの感情の総和を受け入れることができるとする[7]。
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脚注
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