トップQs
タイムライン
チャット
視点
台湾第四原子力発電所
台湾新北市貢寮区にある原子力発電所 ウィキペディアから
Remove ads
台湾第四原子力発電所(たいわんだいよんげんしりょくはつでんしょ、正体字: 第四核能發電廠)とは台湾(中華民国)新北市貢寮区にある台湾電力が運営する原子力発電所である。正式名称は龍門(ルンメン)発電所だが、台湾では一般に核四(ハースー hé sì)と呼ばれる。
概略
開発独裁による経済成長に伴い、台湾で4番目の原発として計画された北部の原子力発電所である。直接の受注元はゼネラル・エレクトリックであるが、1号機原子炉が日立製作所、2号機原子炉が東芝、各発電機が三菱重工業による日本からの輸出原発である。住民の反対や工事上のトラブルにより、建設は滞っている。当初の計画では1号機は2006年、2号機は2007年の営業運転開始が予定されていた[1]。
馬英九政権下、民国100年となる2011年に「建国100年行事」として運転開始を目指していたが、1号機中央制御室火災により延期された[2]。
2012年3月30日には「台湾電力が、相次ぐ工事上のトラブルの自力解決を断念、日立製作所など日米の原発関連企業に全面支援を求めている」と報道された[3]。
2013年2月25日には、江宜樺行政院長により台湾全住民による住民投票で建設の是非を問う方針が明らかにされた[4]。台湾で「公民投票」と呼ばれるこの住民投票は全有権者の過半数以上が参加し、その過半数が賛成することで成立する[5]。
この「公民投票」を前に2013年3月9日には台北をはじめ各地で大規模なデモが行われ、主催者発表で計10万人超(警察発表計約6万6400人)が参加した[6]。このデモはモデルで女優のリン・チーリン(林志玲)らが呼びかけ、俳優のイーサン・ルアン(阮經天)、チャン・チェン(張震)、ティファニー・シュー(許瑋甯)、伊能静や映画監督のニウ・チェンザー(鈕承澤)、ウー・ニエンジェン(呉念真)らも参加した[7]。
2014年4月27日に、馬英九総統は1号機の稼働凍結と2号機の工事停止を表明したが、28日の会見で江宜樺行政院長は「第4原発の封鎖や工事中止の方針は、原発のプロジェクト中止や廃棄を意味するものではない」と述べた[8]。2015年7月1日に、正式に建設が凍結された[9]。台湾電力は凍結期間を3年、計34億台湾元(約135億円)をかけて機器を維持する予定としたが、建設中止を求める市民団体はこれを「無駄遣い」と批判した[9]。
2015年9月、建設契約を請け負っているゼネラル・エレクトリックは、台湾電力に実施済み作業分の支払を求めて、国際商業会議所香港支部で国際仲裁裁判所の調停を申し入れた[1]。
政権交代した蔡英文総統は、民進党の党是である「脱原発」を鮮明にしており、2025年までに原子力発電全廃を目指す脱原発法を2017年1月11日に成立させた。
Remove ads
問題とされる点
反対派の主張として、以下のようなものがある。
- 台湾は日本と同様に地震多発地帯であること[11][12]、民家や町がごく近くにあること、建設中に何度も中断しており部品の腐食などが見られることなどから、その安全性を危惧する声がある。
- また、戒厳令下住民への説明なく建設地が決定されたことや、その後地元の住民投票で圧倒的な反対が投じられたことから、人権問題としても問題視されている[13]。
- さらに、日本から台湾に原子炉が輸送されており事実上、日本からの原発輸出であるが、日本と台湾は国交がなく直接輸出することはできない。このため、米国を「抜け道」として不適切に経由したとの指摘がある[14]。
- その他、100万キロワットで建設許可が出された後、135万キロワットのABWRに変更されたが、影響調査は再度行われておらず、国内法に抵触するとの指摘がある。
- なお立地現地の澳底は、下関条約で割譲された台湾に最初に日本軍が上陸した地点であり、その地に建つ第四原発は地元の住民から「第二の侵略」と呼ばれている[13]。
Remove ads
第四原発をめぐる台湾の歴史年表
要約
視点
日本から輸出された台湾第四原子力発電所とその歴史的経緯を示す事項を含んだ台湾の年表[15]。
Remove ads
脚注
関連項目
外部リンク
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads