多重指数記法を用いれば、初等解析学における多くの公式をほとんどそのままの形で、対応する多変数の式にすることができる。以下はそのいくつかの例である。すべて
,
,
(
).とする。
- 多項定理

- 多重二項定理

- 注意:
はベクトルで
は多重指数だから、左辺は
の略記法である。
- ライプニッツ則
- f と gは滑らかな関数とする。

- テイラー級数
- n引数の解析関数fは次のように展開される。
- !}}h^{\alpha }}.}

- 実際、fがk+1階微分可能な関数ならば、テイラー展開
- !}}h^{\alpha }}+R_{k}(x,h),}

- を得る。ただし最終項(剰余項)はテイラーの定理における剰余項の表示形式によって異なる。例えば積分表示による剰余項であれば、
- !}}\int _{0}^{1}(1-t)^{k}\partial ^{\alpha }f(x+th)\,dt.}

- 一般化偏微分作用素
- n項の形式的N階偏微分作用素は次のように定義される。

- 部分積分
- 有界な領域
上にコンパクトな台を持つ滑らかな関数u,vは、

- この形式は超関数と弱微分の定義において用いられる。