トップQs
タイムライン
チャット
視点

夢の標本

1998年の日本のテレビドラマ ウィキペディアから

Remove ads

夢の標本』(ゆめのひょうほん)は、1998年に放映された日本のテレビドラマ。国蝶であるオオムラサキの発見地として知られる北海道夕張郡栗山町を舞台として、オオムラサキの飼育係の女性が、幼少期に抱いた夢と結婚の現実との間で揺れ動く姿を描いた単発ドラマである[1][2]北海道テレビ放送(HTB)が製作し、テレビ朝日で1998年1月15日に全国放映された。主演は戸田菜穂[1]

概要 ドラマスペシャル 夢の標本, ジャンル ...
Remove ads

あらすじ

直子は栗山町で、オオムラサキの飼育舎に勤めている[1]。直子の婚約者である酒屋の跡取りの慎は、幼馴染み同士でもあり、かつて共に昆虫博士を夢見た間柄でもある[1]

ある日、直子が森の中で見つけたポケットベルに、「オオムラサキヲオカエシシマス カオリ」とメッセージが届く[3]。直子にとってオオムラサキは、慎との思い出でもあり、直子はそのメッセージに興味をおぼえる[3]

直子はポケットベルの番号を頼りに、札幌のクラブに勤めるホステス・かおりを訪ねる[3]。かおりが慎に想いを寄せていることを知った直子は、慎との結婚に疑問を抱き、自身が本当に望んでいる仕事に目覚めていく[4]

キャスト

スタッフ

製作

HTBが全国ネット向けに製作したテレビドラマの3作目である[4]。ドラマ制作と共に、制作の中枢となる監督とカメラマンを局で育成する計画が進行中であったものの、本作の制作は未だ、東京のテレビ朝日の子会社であるメディアミックス・ジャパン(MMJ)との共同となっている[6]

脚本家の市川森一はかつて東芝日曜劇場(TBS)において、「夢の〜」と題したドラマの脚本を多く手掛けており、そのどれもが、男女の出会いと別れを題材としたものであった。後に東芝日曜劇場から地方局が撤退、市川も親しかったプロデューサーが退職したことで、市川は発表の機会を失っていた。そこへHTBの林亮一、MMJの志村彰が「もう一度、あのようなドラマを」と声をかけたことで、本作の執筆に至った[7]

撮影は、舞台となる北海道栗山町と札幌市で行われた[1]。栗山ではファーブルの森でオオムラサキの羽化をはじめ、晩夏の栗山の情景も盛り込まれた[1]オオムラサキ観察飼育舎王子製紙森林資源研究所小林酒造も撮影に協力した[2][6]。演出を担当した中山秀一は、市川森一の担当した脚本を「映像化が困難だった」[7]と語っていたものの、市川は、夏季の栗山の風景のもとに製作されたこのドラマを「水彩画のような物語」と評し[1][2]、「仕上がりは素晴らしかった」とも語っていた[7]

Remove ads

作品の評価

完成度はキー局制作の番組と比べても勝るとも劣らないとの声があったものの、視聴率は5・8%と低迷した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[8]。もっともこの時期には、HTB以外にも地方局制作の単発番組が多く放送された中、昨今流行のグルメ番組を除き、視聴率はどれも1桁台に留まった[8]

また本作は、HTBがドラマ制作を自社制作に完全移行させる前の作品であり、地方局であるためのドラマ制作スタッフや制作ノウハウの不足から、制作会社(MMJ)と連携せざるをえない姿勢に対して、「制作会社への丸投げに近い」と厳しい声もあった[4]

脚注

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads