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学術出版
出版の一部門。学術研究と各研究分野の動向を伝える ウィキペディアから
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学術出版(がくじゅつしゅっぱん)は、学術的研究を出版すること。学術出版物は広く学術的、学問的、科学的、そして研究に関する書籍やジャーナル、記事、論文を含む[5]。学術出版物は多くの場合、公的援助を受けている[5]。理系では科学学術雑誌での発表が中心で書籍の比重は大きくないが、人文科学、社会科学などの文系では書籍の重要度は高い[独自研究?]。
この記事は世界的観点から説明されていない可能性があります。 (2025年11月) |

学術雑誌の出版
学術雑誌は科学文献のキュレーターと位置づけられる[6]。科学者が学術誌に論文を投稿すると、学術誌の編集者や査読者たちが、その研究が出版に値する質と関連性を有するかどうかを検討する[6]。編集者は、学術誌に投稿された研究論文が学術誌の領域に当てはまるかどうかを検討し、その分野の専門家(査読者)の意見を聞いて研究を評価する[6]。そして、著者に堅牢性と透明性という点において、論文原稿をさらに改善する方法を提案する[6]。この過程を経て、学術雑誌によって出版された論文は、品質が高く、再現性も確保された論文とみなされる[6]。学術出版社は、出版される論文を選別することで、科学的記録の蓄積に貢献する[6]。
一方で、論文を選別したり改善したりしない代わりに、掲載料さえ払えば迅速かつ簡単に論文を発表できると謳うハゲタカ学術誌が問題となっている[6]。
学術書の出版
印刷業の発祥の地はドイツの都市ライプツィヒであり、世界の学術出版の中心と称されて盛んな商業出版がグーテンベルク博物館を建設した[7]。
学術出版の発行元としては、大別して大学出版局と商業出版社の2つがある。そのほか自費出版されるケースもある。
学術書出版は、商業出版や自費出版と異なる営為である[8]。学術書は、執筆者の研究に商品価値を付与し[9]、様々な読者に読まれる可能性を生む[9]。また、書籍の体裁が確立されているため、図書館で購入されやすく、書誌情報として共有されてアクセスしやすくなる[9]。
一部の書籍を除き少部数で刊行されるため、一般書と比べると1冊の単価は高い傾向にある(表1参照)。難しい内容の本文を読みやすくして書籍を製作するため、具体的な特徴がある。
- 学術書のページの体裁は複雑である点。
- 発音記号や論理記号、特殊な印刷書体を要するギリシャ文字やラテン語、サンスクリット語の採用。
- 英語ほか多言語で記す。
- 欧文組みや和欧混植の基礎知識が必要。
- 高度な日本語組版の知識と技能が求められる。
- 歴史的な研究書は、異体字や漢文、変体仮名などを用いる。
少部数の出版物は印刷代も製本代も割増料金がかかり、ひつじ書房によると、試算は以下の通りである。
上記の現状から、研究者から出版企画を依頼された場合、特に商業出版社においては、予想される実売部数とコスト面から出版を見送るケースもある。
一方で、日本学術振興会の助成金や大学のファンドといった刊行助成金を利用することで、出版を果たす場合がある[9]。また、学術研究書出版制度を大学の使命と考え、積極的に推進する大学もある。早稲田大学は「大学の研究教育の内容やその水準を直接に体現する手段の一つであり、当該大学にとって枢要な使命を担うと位置づけ、その充実こそが、大学全体のアカデミック・ステイタスの維持・向上に直結する」と表明している[10]。明治大学も「大学出版の意義はユニバーシティ・エクステンション、すなわち大学の知的資源を広く社会に開放することに尽きる」と述べている[11]。
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オープンアクセス化
理系を中心とした学術雑誌の電子化が進んでいるが、学術誌は一部の欧州の学術出版社による寡占状況にあり、雑誌購読料の高騰が問題になっている[12][18]。学術誌の価格上昇は、学術出版を担う商業出版社のビジネスモデルにあり、学術誌は価格が高くても他の雑誌で代替できないため、市場原理が働かないことに起因する[19]。世界の三大出版社の利益率は、いずれも30~40%に達する[19]。
この寡占化に対抗して、1990年代から商業出版社への抵抗運動が起き、オープンアクセス化や学術出版社の雑誌へのボイコットなどが行われている[19]。また、これらを回避するように海賊版サイトが立ち上がることもある。
オープンアクセスは、学術出版の著者が広く認知されやすくなり、資金提供者による投資効果が大きくなり、他の研究者および社会全体がアクセスできる知識が増えるメリットがある[5]。このため、新たに生産される論文の半分はオープンアクセスで公開されている[19]。
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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