左翼保守主義

左翼保守主義 （さよくほしゅしゅぎ）とは、社会主義、マルクス主義、またはケインズ主義的経済左派と社会（文化）的保守主義を組み合わせた政治思想であり、集団利益、労働者の権利、社会正義、民族自決の価値観の重要視、公民としての権利や自由権といった人権意識、 状況に応じて反グローバリズムやポピュリズム、左翼ナショナリズム、主権主義的立場をとる.

概要

左翼保守主義は、社会正義と国民主権とともに、家族や伝統的価値観を擁護する混合思想であり、文化的進歩主義の制限と左翼ナショナリズム、中絶の権利の反対とフェミニズム (社会的保守主義の価値観を受け入れる一部のラディカル・フェミニズム^[1][2][3])、ポストモダニズム、反移民（ほとんどの場合人種差別ではなく、実用主義や産業予備軍との闘争を理由とする）、またしばしば禁欲主義（反麻薬、反性商売、禁酒主義）の立場をとり、さらに反帝国主義、反米、EU懐疑主義、反シオニズム（反ユダヤ主義ではない）、多極主義、反西側の立場であることもあり、公民権や環境保護への関心が薄い^[4][5]

MAGA共産主義

→詳細は「MAGA共産主義（英語版）」を参照

提唱者であるジャクソン・ヒンクルは歴史的にみて東側諸国の共産主義、マルクス・レーニン主義は社会的に保守であったと指摘し、西側諸国にみられる社会的にリベラルな左派に傾倒することは真のマルクス主義ではないと主張している^[6]

代表例

→詳細は「左翼保守主義政党の一覧（英語版）」を参照

東側諸国での例

共産主義国の支配政党に系譜を持つ例

政党・組織名	国	系譜	社会的保守政策	経済的左派政策	備考
ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟	ドイツ(旧東ドイツ)	東ドイツの支配政党社会主義統一党の後継である左翼党から分裂
ロシア連邦共産党	ロシア	ソビエト連邦共産党	性的少数者の弾圧[7]、ユダヤ人迫害	共産主義、マルクス・レーニン主義
方向・社会民主主義	スロバキア	チェコスロバキア共産党から分裂した民主左翼党の後継	反イスラム[8]、反LGBT[9]	社会民主主義

西側諸国での例

政党・組織名	国	政治的スペクトル	社会的保守政策	経済的左派政策	外交姿勢	備考
革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)	日本	極左	反LGBT・トランス排除的ラディカルフェミニスト[10][11]	共産主義	反米・反帝国主義	地域政党に都政を革新する会を持つ
アメリカ共産党 (2024)（英語版）	アメリカ		MAGA思想	共産主義
イギリス労働者党	イギリス	極左	トランスジェンダーの権利に反対[12]、 地球温暖化懐疑論[13]	計画経済[14]	反帝国主義、反シオニズム