巨礫

巨礫（巨䃯、きょれき、ボールダー、英: boulder）とは、粒径（礫径）256 mm以上の礫である^[2]。地質学などにおいて、堆積物や堆積岩の構成岩石を、大きさで分類したときの最も大きなもの。

巨礫：大きい巨礫（背後）と小さい巨礫（足元）。大きい方はエルベ川の河床から引き揚げられた迷子石・アルター・シュベーデ（ドイツ語版）（2.50 m高・3.60 m長・30 t)^[1]

一般に、一連の堆積構造（英語版）の中で最も下層に存在することが多い。とくに堆積構造の下が火成岩や変成岩などの場合、その一部が割れるなどして堆積構造の最下層に堆積する基底礫岩に多く見られる。砂岩の中にもしばしば観察されるが、一般的に泥岩中には存在しえない。

巨礫が水の力を利用して運搬される場合、運搬を開始するには非常に大きな流速が必要である。しかも、流速が減少すると停止しやすい。そのため、大洪水や鉄砲水の際に運ばれる^[3][4]ことが多い。また、土砂崩れ、山体崩壊、火砕流などでも巨礫を生じるとともにそれが運搬される。

とりわけ大きな巨礫としては、日本では白山市の百万貫岩（高さ16 m、周長 52m）などが有名である。

ギャラリー

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  均衡をとって倒れない「バランスロック」は神々の庭公園に立つ（アメリカ、コロラド州コロラドスプリングス）
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  スタワマス州立公園（英語）の巨礫（カナダ、ブリティッシュコロンビア州）
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  ビック国立公園の水辺の巨礫（カナダ、ケベック州）
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  ピサの丘にある「Kämmenkivi」（手の岩）という名前の石組（フィンランド、クオピオ）
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  デボン紀の擦痕。深さが巨礫の径ほどのものも見える（スコットランド）

金峰山の頂から見た五丈岩（右端）