平均可変費用

平均可変費用（へいきんかへんひよう、英: Average variable cost; AVC）は、企業の可変費用（Variable cost, VA; 労働費・電力費など）を、生産量（Quantity, Q）で割ったものである^[1]。

短期費用曲線。

  平均費用 (AC)

  平均可変費用 (AVC)

  平均固定費用 (AFC)

  限界費用 (MC; ACとAVCの最小点を通過)

$${\displaystyle AVC={\frac {VC}{Q}}}$$

平均可変費用に平均固定費用（AFC）を加えると、平均総費用（ATC）となる^[1]。

$${\displaystyle AVC+AFC=ATC.}$$

企業は、利潤最大化を行う産出量において、産出物の価格が平均可変費用を下回る場合（または複数の価格で販売する場合には、総収入に基づく平均収入がAVCを下回る場合）、操業を停止する選択を行う。生産を続けても、関連する可変費用を補うだけの収入が得られないためである。何らかの産出を行うと、すでに避けられない固定費用に加え、収入を上回る追加費用（損失）を発生させる。一方、生産を行わない場合、損失は固定費用のみに限定される。

この結果、企業の短期供給曲線は、価格が平均可変費用の最小値を下回るときには産出量が0であり、価格がそれを上回るときには ${\displaystyle {\text{P = MC(Q)}}}$ を満たす産出量へ跳ね上がる。ただし、${\displaystyle {\text{MC}}}$ は限界費用を表す^[1]。