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式場の微笑
松本清張の短編小説 ウィキペディアから
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『式場の微笑』(しきじょうのびしょう)は、松本清張の短編小説。『オール讀物』1975年9月号に掲載され、1977年9月に中短編集『馬を売る女』収録の1作として、文藝春秋より刊行された。
1975年にテレビドラマ化されている。
あらすじ
資格マニアの杉子は、英語・珠算など様々な資格を取得していた。和服の着付も勉強し、あと少しで上位資格が取れそうになっていたが、他方、結婚からは縁遠くなっていた。同級生の浜井祥一郎から、結婚披露宴の案内状を受けた杉子は、宴席に集まる女性の和服姿が自分の参考になるかと考え、披露宴に足を運ぶ。
ロビーで談笑する人々を観察していた杉子は、ふいに40歳前後の中年男と視線が合った。その男は一瞬ためらいを見せたが、すぐに目尻に皺を寄せて微笑した。杉子はその男の微笑の意味がわからず、落ち着かない気持ちになる。やがて新郎新婦が現れ、招待客に会釈していたが、新婦・真佐子と杉子の眼が合ったとき、真佐子の眼が急に大きく拡がり、ショックを受けたように杉子を凝視した。杉子の記憶が甦った。
一昨年の暮れ、着付教室でアルバイトの話が来た。成人式の日に、振袖の着付をするため、「旅館」へ出張してほしいというのだが…。
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エピソード
- 著者は「料亭「胡蝶」で聞いた話」として、本作の手控えのメモを以下のように記している。「和服の着付教室の生徒が、成人式の日にアルバイトとしてラブ・ホテルに出張する。アベックの娘は自分では和服晴着の着つけができないので、帰るときに人に着せてもらい帯をもと通りに結んでもらう。ホテル側が着付教室へ依頼する(着付教室は呉服屋主催によるものが多い)」と記している[1]。
- 宮部みゆきは本作について、「昭和五十年頃のこういう女性は、現在の同じ立場の女性たちよりも、ずっと淋しく、居場所のない存在でした。しかし、この作品のなかには、杉子の身辺の寂寥を感じさせる描写は一切出てきません。ここでは、書かないことが人物描写になっている」「淋しいからといって、人は悪意ばかりを育てるわけではない。淡々と静かに他人の人生を見送り、黙々と自分の日々を生きるという、孤独な人間の善意と矜持というものも、確かに存在するのだ - 。杉子は、清張さんのそういう温かな信念の化身だと、私は思うのです」と記している[2]。
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テレビドラマ
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1975年11月16日、TBS系列の「東芝日曜劇場」枠(21:00-21:55)にて放映。視聴率20.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[3]。
- キャスト
- スタッフ
出典
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