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引込返
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引込返(ひきこみがえし)は、柔道の投技で真捨身技5本の一つ。講道館や国際柔道連盟 (IJF) での正式名。IJF略号HKG。
概要
基本形はお互いに右組で組み、技を掛ける側(取)は右手で相手(受)の右腕を一本背負投のように抱え受を前方に崩す。取は体を仰向けに倒れ込み(体を捨て)ながら、脛で受の太腿の内側を跳ね上げ、そのまま後方に回転させて投げる。神道六合流での別名釣落(つりおとし)[1]。五教の技にあった釣落とは異なる技である。
1895年、「五教の技」制定の際、第四教の五番目に配された。しかし、1920年の改正で削除された。これが物語るように1995年に柔道家の醍醐敏郎は基本形は乱取技として全く見られなくなったと述べている[2]。
講道館技研究部会は1989年2月28日に隅返との違いの判断基準について検討した。違いは両手で相手の片腕を抱えることである。隅返は自護体のままなどで投げる[3]。
変化
帯取返
帯取返(おびとりがえし)は取は、受の後帯を頭越しにつかみ相手を下に押しつぶすように力を加え、仰向けに倒れ込み(体を捨て)ながら、脛で受の太腿の内側を跳ね上げ、そのまま後方に回転させて投げる引込返。俗称である。試合では、こちらのパターンの方がよく使われる。古流柔術では帯返(おびがえし)と呼ばれたり俵返(たわらがえし)に包含されていた[4]。
元々、帯取返は立っている状態から寝技に引き込むための技で投技としての効果は認めてられていなかった。1963年2月、日本で開催された日ソ対抗親善大会でオレグ・ステパノフ(ソ連)が帯取返をよく使用した。投技の効果を認めた場合もあったが全体としては寝技への引き込みとみなした。ソ連の監督は、ヨーロッパでは誰もが投技として認識している、としきりに抗議した。醍醐敏郎の記憶によれば同年秋、全日本柔道連盟審判規定研究委員会は検討ののち、投技としての条件が整っていると判断され、その効果を認め、引込返に類する技とすることになった[5]。1975年全日本柔道選手権大会の審判員打ち合せ会議では、投げながら相手と一緒に一回転して馬乗りとなった場合は投技の効果を認めないとした。1991年には講道館柔道試合審判規定が改正され取り扱い統一条項でこの場合も効果を認めることとなった[6]。2010年の世界ジュニア81 kg級で2位になった北野裕一がこの技を多用している。YouTube KODOKANチャンネルでの動画ではこのタイプの引込返のみ紹介されている[7]。
隅返との違いは後ろ帯を持つことである。これに似た隅返は相手の背中を握る[3]。
1982年の「講道館柔道の投技の名称」制定に向けて講道館では新名称の候補に挙がったが引込返の一つの場合とすることになり、採用されなかった[8]。
国際柔道連盟、講道館での正式名「帯取返」は別の技でこれは「ハバレーリ」などのことである。真捨身技ではなく手技である。これは講道館の分類では浮落と掬投に分類されていたが[9]、2017年4月、講道館技名称に「帯取返」が加えられた[10]。
→「帯取返」も参照
横俵返
横俵返(よこたわらがえし)[11]は横捨身技の引込返。右手で相手の後ろ帯を握り、左手は相手の右腋に差しいれ相手を引きつけ、前屈させる。左手を押し上げ、右腕を押し下げ、相手の上体をその左側に捻って牽制し相手が抵抗した時、その反動を利用し、右足を退き、左足を相手の両足前に踏み込み、仰向けになって体を右方に捻り頭を相手の右腋に突っ込んで頭で相手の右腕を押し込んで、相手の腹の下に仰向けに体を捨て、さらに右に捻りを利かせ、相手を右に投げる[12]。後ろ帯ではなく相手の背中を握る場合ある[3]。
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脚注
外部リンク
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