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彼らはブドウのことを考えているのですか
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『彼らはブドウのことを考えているのですか』(かれらはブドウのことをかんがえているのですか、仏: Pensent-ils au raisin?, 英: Are They Thinking about the Grape?)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠フランソワ・ブーシェが1747年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。画面下部右端に「f. Boucher 1747」という画家の署名と制作年が記されている[1]。作品は1973年にマーサ・E・レヴァローン (Martha E. Leverone) から寄贈されて以来[1]、シカゴ美術館に所蔵されている[2]。
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作品

本作は、『牧歌的情景』 (エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク) [3]や『噴水のそばに男女のいる牧歌的情景』 (ウォレス・コレクション、ロンドン) [4]などブーシェがたびたび描いてきた「パストラル」 (牧歌) を表す作品の1つである[1][2]。ブーシェのパストラル主題の作品は18世紀のフランス絵画に絶大な影響を与え、大きな貢献をした。一方で、それら田園生活を表す空想的な作品は、主に富裕な金融業者や貴族の愉しみのために意図され、当時の田舎の労働の現実とはかけ離れたものであった[1]。
この絵画にインスピレーションを与えたのは、青年の羊飼いが女性の羊飼いへの恋に目覚めるパントマイム劇である[1]。情景は緑豊かな森の中の開けた土地に設定されており、男女は羊の小さな群れに囲まれている。ピンクと白色のドレスを優雅に纏っている女性は一房のブドウを手に持ち、素朴な衣服を身に着けた青年は彼女を情熱的に見つめている。近くにいる少年、おそらく羊飼いは羊の世話をしながら座っている[2]。
画面は、木々の間から差し込む柔らかな暖かい光に浸されている。構図は慎重にバランスがとれたもので、人物たちはピラミッド型に収められており、鑑賞者の視線は中央の男女に誘われる。「彼らはブドウのことを考えているのですか」という作品の題名は、2人の恋愛の可能性を示唆する[2]。女性が持つブドウは逸楽の神バッカスと関連づけられ、彼らの関係が貞淑なものではないことを仄めかしているのである[1]。
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脚注
参考文献
外部リンク
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