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恋人 (1951年の映画)

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恋人』(こいびと)は、劇作家梅田晴夫が書いたラジオドラマ『結婚の前夜』を原作として、1951年新東宝で製作された日本映画である。モノクローム作品で、監督は市川崑。本作以降、『和田夏十』は市川の妻である茂木由美子の個人名義となる[1]

概要 恋人, 監督 ...

あらすじ

小田切京子は25歳の独身女性。幼馴染の遠藤誠一という友人がいる。誠一はカメラマンで、小田切家とは家族ぐるみの付き合いがある。小田切家は、外交官の父恵介と母節子、そして京子の3人家族である。父は仕事でイギリスで暮していたことがあり、イギリス風の生活習慣に馴れ親しんでおり、パイプを愛用している。反対に、節子は着物が似合う女性である。

京子は銀行員と婚約中だったが、いよいよ明日、式を挙げることとなり、小田切家はその準備に忙しい。しかし、京子はそんな周囲の雰囲気をよそに、独身時代最後の自由を楽しむため、誠一を誘って銀座に繰り出すことにする。喫茶店や映画館、スケート、ダンスホールと2人は楽しむが、京子は、誠一との楽しい時間を過ごすうちに、結婚に迷いを感じるようになる。

誠一も京子を心から愛していたが、自分の気持ちをどうしても言い出せないまま、最後の夜は更けていく。京子もそんな誠一の気持ちを知り、帰りたがらない。結局、2人は終電にも乗り遅れてしまい。歩いて帰宅することとなる。翌日、周囲の心配をよそに、結婚式は無事に終了する。誠一は結婚式の翌日に小田切家を訪問する。恵介と節子は快く誠一を迎え、ご馳走を振舞う。恵介と節子は誠一と京子が相思相愛の仲であったことに気付き、愛し合っていても結ばれない男女交際を嘆きつつ、誠一の多幸を願い、この物語は結ばれる。

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スタッフ

キャスト

補足事項

  • 原作は梅田晴夫のラジオドラマ『結婚の前夜』である。この作品は1949年6月23日に、NHKラジオ小劇場で1話完結で放送されたもので、原作は京子と誠一のダンスホールでのやりとりが中心になっている。映画化にあたっては、新東宝から「10日ほどで何か撮ってくれ」との要請で企画されたもので[1]、さまざまな挿話が付け加えられたが、ほぼ原作に忠実な内容と言える。脚本は市川夫妻が手がけているが、具体的には、和田が話の流れを提示し、市川が10日間で撮影できるように場面を割り振りする作業を行い、脚本は2日間で書き上げられた。当時の新東宝には予算がなく、撮影はロケーションが中心で、終電間際の新宿駅の地下道などで行われている[2]。ダンスホールの場面では、原作ではシャンソンが歌われたが、映画版ではイギリス民謡のHome, Sweet Home(日本語名:埴生の宿)が英語で歌われた。
  • 映画のタイトルバックの絵画を手がけた池部鈞は、池部良の父である。
  • 劇中、主人公が銀座の映画館で観る映画は『哀愁』である。
  • 千田是也演じるヒロインの父親は、脚本化に当たって白洲次郎をイメージとして描かれている[3]
  • 市川崑は、後にテレビ演出を初めて行う際、本作品選んでいる[3]
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DVD

  • 『新東宝名画傑作選 恋人』(バップ) 規格番号:VPBT-15265

参考文献

  • 『ラジオ小劇場脚本選集 第2集』 宝文館 1950年

脚注

外部リンク

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