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暗所視
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概要
暗所視は輝度 0.01 ニト以下の光環境における視覚である[1](⇒ #定義)。スマートフォンの画面輝度は平均 150 ニト程度であり、暗所視は非常に暗い環境での視覚と言える。暗所視は 0.01~2ニトでの薄明視、2ニト以上での明所視と対比される[1][2]。
暗所視は網膜の桿体細胞によって起き、錐体細胞が関わらない(⇒ #機序)。そのため色覚が生じず視界はモノクロになる。また網膜上の桿体細胞の分布に偏りがあるため、周辺視が相対的に強くなる特性がある(⇒ #性質)。
定義
機序
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ヒトの目の網膜には高光量で働く錐体細胞と低光量で働く桿体細胞という、2種類の視細胞がある。暗所視が起きる輝度 0.01 ニト以下の光環境では錐体細胞が機能せず、桿体細胞のみによって視覚が生じている。
性質
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暗所視は桿体細胞のみによって成立している(⇒ #機序)。そのため暗所視では色覚が生じず、明るさ感覚のみが生じて視界はモノクロームとなる。また、暗所視で物体がみえる輝度の下限は 10-6 ニト程度である。
周辺視
網膜の中心窩には色を識別する錐体が密集し、桿体はほとんどない。明暗を識別する桿体の密度が高いのは中心窩の周囲である。したがって、低光量下では、視野の中心からずれた視角の方が明暗に対する感度が高い桿体を利用することができ、ものが見えやすい現象がある。
動物
網膜の裏に輝板(タペタム)を作ることで、網膜の信号が2倍になり暗所でも見やすくなる。
魚類
魚の目は瞳孔で明るさを調整する機能を持っておらず、網膜の細胞を変化させることで対応する。そのため明るさの急な変化に対応できず、数十分単位で細胞を変化させなけらばならないという欠点を持つ[4]。明るい場所では錐体が外限界膜に出てくるが、暗所では錐体のミオイドが伸びて後にさがり、それと入れ替わりに桿体のミオイドが縮み感度の高い桿体が外限界膜に出てくる方式がとられる[5]。
また、夜間に活動する魚は色などを識別する脳の領域である視蓋が小さい[6]。加えて、深海魚では明るい場所で機能する錯体は持たず100種以上の深海魚では、互いに重なり合った複数の桿体層で作られた multibank retinas(マルチバンク網膜)を持っている[5][7]。
脚注
関連項目
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