楕円を媒介変数表示

で表した時、
から
までの弧長
は

で求められる。これは、
の大小関係に関係なく成立する。
この式は第二種不完全楕円積分で表す事ができるが、
の大小関係や
の範囲により場合分けが必要になる為、以下に詳述する。
その前に、媒介変数表示について、補足しておく。
楕円の媒介変数表示には、通常

が用いられる。この場合、t = 0 では、点
をとり、
t =
では点
をとるので、tはx軸の正の部分を基準線とする反時計方向の角度になっている。
一方、媒介変数表示は

とする事もでき、この場合、t = 0 では、点
をとり、
t =
では点
をとるので、tはy軸の正の部分を基準線とする時計方向の角度になっている。
第二種不完全楕円積分を


と表記する。
さらに、楕円上の点を指定する指標として、
ベクトルのx軸に対する角度
も導入する。
- (
)
A)
の時

楕円(の右半分)を

で表す。
は点
から
が与える点までの弧長となっている。
この時



となる。
が点
を最大の終点とする積分になる事を考慮し、
場合分けをし積分範囲を決めると、次のようになる。
- i)


- ii)


- iii)


ここで

- (ただし、
とする)
である。
B)
の時

楕円(の右半分)を

で表す。
は点
から
が与える点までの弧長となっている。
この時



となる。
が点
を始点とする積分になる事を考慮し、
場合分けをし積分範囲を決めると、次のようになる。
- i)


- ii)


- iii)


ここで

- (ただし、
とする)
である。