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武器を取り上げられたキューピッド (ヴァトー)
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『武器を取り上げられたキューピッド』(ぶきをとりあげられたキューピッド、仏: L'Amour désarmé、英: Cupid Disarmed)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠アントワーヌ・ヴァトーが1715年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。現在、シャンティイのコンデ美術館に所蔵されている[1]。
歴史
この稀な主題の絵画がヴァトーの作品であることは、何ら議論の対象になっていない。絵画は、ヴァトーの友人で庇護者でもあったジャン・ド・ジュリエンヌが1766年に死去するまで所有していた8点の作品の1つである[1]。1727年に、ブノワ・オドランにより『ジュリエンヌ所蔵ヴァトー作品の版画集 (Recueil Julienne)』のために版画化され、1756年にはジュリエンヌ・コレクションの目録用にその版画が記載されている。
ジュリエンヌの死後、本作は、画商ボワロー (Boileau) によりジュリエンヌの遺言執行人ジャン=バティスト・ド・モンテュレに売却されたが、1783年には再度売却されている。その後の作品の行方は、はっきりとしない。しかし、フランス革命中の恐怖政治後にビュリオン館でイギリスの収集家に売却されたようである[1]。次いで、1848年の競売時の少し前にフランスに戻り、その競売の結果、ド・メゾン (de Maison) 侯爵のコレクションに入った。1868年にはアンリ・ドルレアン (オマール公) に購入され、シャンティイ城の再建後にその中のトリビューンの間に掛けられた[2]。
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作品


本作はヴァトーが描いた稀な神話的主題の作品の1つであり、ヴィーナスがキューピッドの弓を取り上げている姿を表わしている。そのため、1つの仮説では、この作品はヴァトーが王立絵画彫刻アカデミーに入会を認められた際に描かれたものとされる[1]。ピエール=ジャン・マリエットによれば、ヴァトーは、ピエール・クロザが所有し、後にマリエット自身も所有したパオロ・ヴェロネーゼの素描 (ルーヴル美術館、パリ) に感化されたのではないかということである[1][3]。
その形式と登場人物により、本作は、ヴァトーが描いた別の絵画『秋』 (ルーヴル美術館) と比較されてきた[1][4]。本作の複製が多数存在する。なお、この主題は比較的アカデミーの絵画では一般的なもので、フランソワ・ブーシェも1751年に取り上げている。
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脚注
参考文献
外部リンク
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