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気候感度
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気候感度(きこうかんど、英語:climate sensitivity、sensitivity of climate)とは、ある外部的な要因に対して、気候がどれくらいの影響を受けるかという度合いを表す気候学の用語。
「気候感度」の考え方
気候感度は、ある放射強制力に対して、どのくらい気温(地表平均気温)の上下がもたらされるかという考え方であり、数値的には、単位量(ある一定の放射強制力)あたりの気温の変化量(長期的な気候の変化後の気温)で表される。
ここでの気温の変化量は、気温が上昇している状態ではなく、放射が平衡に達して気温が安定したときを考え、これを平衡気候感度と言う。また、平衡気候感度を算出できない気候モデルで用いられる、海洋の熱的な変化を考慮した有効気候感度というものもある。こういった平衡を考えずに、あらかじめ決めた期間内での気温の変化量を用いた場合には、気候感度ではなく過渡気候応答(Transient climate response, TCR。気候の漸増応答とも)という。
気候感度の変化と気候変動
気候感度の大きさが変わると、同じ放射強制力あたりの気温の変化量も変わる。気候感度が良いほど気温の変化量が大きい。
雲の放射強制力に関する理解が進んでいないため、気候モデルの結果は、その気候モデルが雲の放射強制力をどのように規定しているかによって大きく左右される[note 1][note 2]。気候感度を強めるフィードバックとして特に重要なものに水蒸気フィードバックがある[note 3][note 4]。
気候感度の算出例
要約
視点
大気中の二酸化炭素 (CO2) の濃度が二倍になった時の放射強制力の変化 (ΔF) に対する気温の変化量 (ΔT×2) は、気候感度パラメータ (λ) を用いて次式で表される。
- ΔT×2 = λΔF.
単位はそれぞれ、ΔF が W/m2、λ が °C/(W/m2)、ΔT×2 が °C である。一般的な気候モデルでは、ΔF の値に 3.7 W/m2 がしばし用いられている[1]。現在の気候モデルは気候感度を高めに設定されているとされる[note 5][note 6]。最近では、実測値等の観測に基づく研究の進展により、従来考えられていた気候感度よりも低い値を報告する論文も出始めている[note 7]。
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脚注
関連項目
外部リンク
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