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氷男
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概要
村上によれば執筆時期は1990年秋頃。「緑色の獣」とふたつ一緒に書いた記憶があるという[1]。
80年代末から90年代初頭にかけて、村上は女性が主人公の短編小説を集中的に書いた。「眠り」(1989年)、「加納クレタ」(1990年)、「ゾンビ」(1990年)、「緑色の獣」(1991年)などである。本作「氷男」も同様に女性が主人公の物語である。
英訳
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あらすじ
氷男はスキー場のホテルのロビーの隅でひとりで静かに本を読んでいた。「ねえ、あれが氷男よ」と友人が「私」に小声で教えてくれたのだ。「私」は四日後に思い切って氷男に話しかける。二人は東京に帰ってから何度か会い、週末になるといつもデートをするようになった。
二人は結婚した。誰にも祝福されない結婚だったので、結婚式は挙げなかった。氷男は戸籍を持たなかったので入籍さえしなかった。自分たちは結婚したのだと決めただけだった。
ある日「私」は夫に気分転換にどこか旅行に行こうと誘う。一旦は南極が行き先に決まるものの、「私」は南極を持ち出したことを後悔し始める。氷男に向かって、やっぱりやめましょうよと言う。しかしその願いは聞き届けられない。
南極の人たちはみんな氷男に好意を持って接している。南極語で冗談を言ったり議論をしたり歌を歌ったりしている。しかし「私」の語る言葉は南極に住む人たちにはひとことも理解できない。二人を運んだ飛行機が飛び立ったあと、飛行場に着陸する飛行機はもう一機としてなかった。滑走路はやがて硬い氷の下に埋もれてしまう。
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脚注
関連項目
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