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沖縄方言の表記体系
現代における沖縄方言、特に首里方言の表記体系 ウィキペディアから
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この項目では、現代における沖縄方言の表記体系、とりわけ首里方言の表記体系について解説する。沖縄方言の概観については沖縄方言を、沖縄方言が属する琉球語の表記については、琉球語(en:Ryukyuan languages)もしくは日本語#方言と表記をそれぞれ参照のこと。
現代における沖縄方言は頻繁に文書化されるということはなく、一般的には、一部の観光地などで「めんそーれ」「シークヮーサー」などと、日本語の表記体系が、「限定的な手法」として用いられているに過ぎない。これは、現代における沖縄方言の標準的な正書法というものが存在しないからである。しかしながら、一部の言語学者や識者によって提唱されている表記体系が数例存在する。これらの表記体系の中で、沖縄方言を母語とする者の間に広く用いられている例はない。沖縄方言のローマ字表記の類は、とりわけ学術的な出版物において用いられている。

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種々の表記体系
- 慣習的な表記法: 前述のような「限定的な手法」が、沖縄県において散見される。
- 協議会による表記法: 沖縄方言の普及を図る目的で、沖縄語普及協議会によって表記法が考案されている(沖縄語普及協議会 - ウェイバックマシン(2002年12月11日アーカイブ分))。
- 琉球大学の表記法: 琉球大学所轄の沖縄言語研究センターで考案されている表記法である。この表記法は、他の表記法とは違って、発音通りの表記を意図するもので、基本的に片仮名のみが用いられる。
- 新沖縄文字: 船津好明によって考案された表記法で、氏の著書である『美しい沖縄の方言』(ISBN 4-905784-19-0)において用いられている。この表記法は平仮名にのみ適用され、片仮名は慣習的な表記法と同じく、日本語表記同様に使われる(沖縄語教育支援文庫)。IPAフォントに新沖縄文字を組み込んだTrueTypeフォントが、小林ひとし(駿河台大学文化情報研究所)により公開[1]されている。
- 琉球諸語統一的表記法:琉球諸語の諸方言で記したり、表現したい一般の人向けに、約20人の言語研究者の助けを得て作られ、2015年出版の小川晋史編『琉球のことばの書き方 琉球諸語統一的表記法』で公表された表記法。奄美から八重山にかけての方言で表れる音が統一的な文字体系で表される。第一部では一般的な表記の原則を提案し、第二部では琉球列島の方言をまんべんなく8つ選んで個別の表記例を示している。この項目では、第二部四章で書かれた首里方言の表記法(當山奈那著)について解説する。
- 沖縄県による正書法案:琉球諸語の普及・継承を図る目的で、沖縄県のしまくとぅば正書法検討委員会によって考案されている正書法。琉球大学の表記法と同様に発音通りの表記を意図するものであると同時に、県民への言語の普及を目的としている事から既に現代日本語表記で定着している片仮名表記に準拠しつつ、日本語にない表記の表現のため各種記号や文字を組み合わせたものとしている。沖縄語の他、国頭語、宮古語、八重山語、与那国語についても別個「地域表記」として個別に体系が定められており、ある程度各地域で定着している独自の表記も取り入れられたものとなっている[2]。なお沖縄県はこの正書法はあくまで県による琉球諸語の統一正書法と位置付けており、これ以外の表記法を否定するものではないとしている。この項目では2022年3月に委員会によって決定された表記[3]のうち、沖縄語の地域表記について解説する。他地域の言語の表記についてはしまくとぅば正書法を参照のこと。
上述の通り、琉球大学の表記法と沖縄県による正書法案はともに基本的に片仮名のみが用いられているが、この項目では、便宜的に、相当する平仮名を用いて解説する。
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その他
脚注・注釈
関連項目
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