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炉
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炉(ろ)とは、金属の溶解や食品の加工製造など火を使用する設備の総称[1]。

現代における炉
用途による分類
炉は工業炉(焼鈍炉、焼入炉、溶解炉など)とそれ以外の炉(パン焼き炉、焼却炉など)に大別できる[1]。
工業炉
工業炉は鉄鋼用炉、非鉄金属用炉、窯業用炉、化学工業用炉、乾燥炉などに分類される[1]。
工業炉以外の炉
工業炉以外の炉にはパン焼き炉、ピザ窯、揚げ物用炉、営業用風呂釜、焼却炉などがある[1]。
このほか「炉」の名をもつ器具がある。
熱源による分類
加熱するための熱源(燃料)としては、ガス、木炭、木薪、石炭・コークス、電熱などが用いられる。なお、日本語では、核反応によって熱を発生する装置も「炉」と表現する(原子炉)。
構造による分類
開放炉と煙突炉
排出ガスや火の粉を放出するための煙突や排気筒の有無により、鋳物工場や焼入工場などで利用されている煙突等のない開放炉と、煙突等を設置した煙突炉がある[1][3]。
反射炉
→「反射炉」を参照
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考古学における炉
考古学では、遺跡の発掘調査において、過去人類が燃焼を用いる作業を行った形跡を示す遺構が検出されることがあり、炉、あるいは炉跡(ろあと)と呼ばれる。集落遺跡の建築物(竪穴建物や平地建物など)の内外から検出される炉跡は、食料の煮炊き(調理)や照明、暖房施設として使用されたものと考えられており、生産関連遺跡では製鉄・鉄器生産などの鍛冶に使われた炉が検出されている。
集落遺跡における炉
集落内における煮炊きや照明、暖房として使われた炉で、構造・形態などで様々な種類が存在する。竪穴建物などの建物内部床面に造られるもの(屋内炉)や、建物の外に造られるもの(屋外炉)もある[4][5]。
- 地床炉(じしょうろ):地面を掘りくぼめて燃焼部(火床:ほど)としたもので、旧石器時代から古代まで広く使われた[5]。
- 石囲炉(いしがこいろ):扁平な石で炉の周囲を囲うもの。内部に底を打ち欠いた土器(炉体土器)をもつものもある[5]。
- 石床炉(せきしょうろ):浅い掘り込みの中に扁平な礫を据えたもの[5]。
- 土器埋設炉(どきまいせつろ):地面を掘り窪め、土器の胴部を打ち欠き底抜けにしたものを据えたもの。縄文時代に見られる[5]。
- 土器囲炉(どきがこいろ):土器片囲炉(どきへんかこいろ)とも。石囲炉が平らな石で炉の縁を囲うように、土器の破片を周囲で縁を囲ったもの。さらにその内側に炉体土器を据えるものもある[5]。
- 粘土床炉(ねんどしょうろ):火皿炉(ひざらろ)とも。地面を掘り窪め、内部に粘土を充填して火床としたもの[5]。
- 複式炉(ふくしきろ):炉体土器を1基または2基配置し、その前に石敷きを組み、さらにその前に地面を掘りくぼめた部分(前庭部)を設ける独特の構造を持つ炉。縄文時代中期末から後期にかけて、東北地方南部を中心に出現した[6][7]。
- 炉穴(ろあな):煙道付炉穴(えんどうつきろあな)、連結土坑(れんけつどこう)とも。縄文時代早期に見られる。楕円形または隅丸二等辺三角形の土坑にトンネル状の煙出し(煙道)が付くもの。1種の屋外炉で、煮炊きや燻製の調理などに使用されたと考えられている[8][9][10]。
生産関連遺跡における炉
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脚注
参考文献
関連項目
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