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煙突

燃焼を促進させる筒状の構造物 ウィキペディアから

煙突
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煙突(えんとつ)とは、燃焼の過程で排出されるガスが持つ上昇気流を風による外乱から守り、燃焼を促進させる筒状の構造物である。人体に不快・有害ななどが屋内で拡散するのを防ぐ効果もある。なお、通常の煙突は英語でチムニー(chimney)というが、船舶の煙突はファンネル(funnel)という[1]

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酒造場の煙突
醸造業煉瓦作りの煙突
千葉県香取市

概要

煙突は、ドラフト効果を利用する燃焼装置の、核心部分である。

ドラフト効果とは、煙突内で上昇気流が発生すると、煙突内に温かい空気が吸い込まれていき、燃料投入口からドンドン空気が流入するため、送風装置を使わなくとも、常に空気を送り込んでいる状態となり、その分、内の温度が上昇して、少ない燃料で高い燃焼効率が得られる。

工場火力発電所に設置される大型から、ストーブコンロといった燃焼装置に付加される小型まである。

素材としては耐熱・耐火性が求められ、古くは煉瓦、後にはコンクリート金属も使われた。現代では、特に大型煙突において鉄骨鉄筋コンクリート構造より軽量化できるガラス繊維製やフッ素樹脂製も開発されている[2]

大型の煙突は、高熱による上昇気流排気を上方に導き、上空に排出させる。歴史的にみると、本格的な煙突が記録に登場するのは14世紀のヨーロッパでとされる[3]。積極的に利用されるようになったのは、燃やすと煤煙を多く出す石炭が家庭で使われることが増えた16世紀と言われている[4]

排出ガス中に含まれる大気汚染物質濃度は、煙突の高さが高いほど地表に到達するまでに拡散される。このため、排出ガス濃度そのものの低減対策(脱硫脱硝集塵など)に加えて、煙突の高さを高くする対策が広く推奨されてきた。ただし、煙突の高さを高くしても大気汚染物質の総量削減効果はない。

煙突の高さが60m以上になる場合は航空法により航空障害灯の設置が義務付けられている。

理論

煙突からの排出ガスは、ガスそのものが持つ熱による浮力、煙突頂部から排出されるときの吐出速度による運動量、外気の風速気温などにより、一定の高さまで上昇した後に、有風時には風下側に流れていく。その時の煙流の上昇高さ(ΔH )に、煙突そのものの高さ(実煙突高)を加えたものを有効煙突高He )と呼ぶ。

風下に流れた排出ガスは、煙突から離れるに従って拡散し濃度が薄くなっていく。その濃度分布を表す式を大気拡散といい、正規分布形で表される。

煙突の高さの設計にあたっては

  • 地上での排出ガス濃度の許容値を設定
  • 大気拡散式により、煙突の有効煙突高を決定
  • 有効煙突高より、吐出速度やガス温度を決定

といった手順を踏む。

煙突の形

古い一般住宅や集合住宅ではH形や、斜めのH形、雨水や雪を防ぐための屋根付きになっていることが多いが、近年の建物はオール電化やセントラルヒーティングで、ストーブも煙突の必要がないFF式が主流であり、比較的近年の建物にかつての煙突が設置されることは少なくなっている。

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世界の煙突の高さ

要約
視点

330mを越えるもの(およそ上位20位まで)、および各国で最も高い煙突などの重要性・著名性の高いものを掲げた。日本の煙突は、200m以上で資料等で確認出来たもののみを掲載した。

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煙突に関連する逸話

煙突に関連する俗語

次のものを俗に「エントツ」と呼ぶ。

  • 売店などの店頭において丸めて筒状に積み重ねた新聞
  • 新聞見出しの配置において避けるべきレイアウトの一つで、複数の縦見出しが直列に並んでしまうこと。
  • タクシーメーターの不正行為の一つ(タクシーメーターの項目参照)。
  • 麻雀においてシャンポン待ちと両門待ちを併用する聴牌形を「煙突待ち」と呼ぶ。

船舶の煙突

船舶の煙突はファンネル(funnel)という[1]。現代の船舶用原動機排気筒はより細い管径で事足りるが、船の所属会社を示すファンネルマークが描かれている部分にあたるため、排気筒に「化粧煙突」と呼ばれる囲いを設けている[6]

脚注

関連項目

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