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熱砂の日
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『熱砂の日』(ねっさのひ、Heat and Dust)は、1983年のイギリス映画。 ルース・プラワー・ジャブヴァーラによる同名小説(1975年)を原作とし、1920年代のイギリス領インド帝国と1982年(現代)のインドにおけるそれぞれの女性の生き様を交錯させつつ描いている。
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この映画の公開当時はかつてのイギリス領インド帝国への人々の関心が高まっていた時期で、「ガンジー」(1982年)、「インドへの道」(1984年)も公開されいずれも高い評価を得ている。この「熱砂の日」も1983年度の英国アカデミー賞に作品賞を含む8部門にノミネートされ、ルース・プラワー・ジャブヴァーラが脚色賞を受賞している。
撮影中に予算不足に陥り、俳優もスタッフも無償で撮影を続けていたが、編集前のフィルムを見たジェイコブ・ロスチャイルドが資金提供を申し出たことで映画は無事完成した[1]。
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キャスト
1982年の登場人物
- ジュリー・クリスティ:アン
- ザキール・フセイン:ラル(インドの公務員、アンと不倫関係になる)
- ラトナー・パータク・シャー:ラルの妻
- ニコラス・グレイス:ハリー・ハミルトン=ポール
1920年代の登場人物
- グレタ・スカッキ:オリビア(アンの大叔母)
- クリストファー・カザノフ:ダグラス(オリビアの夫)
- シャシ・カプール:ナワブ(英国と対立するインド人貴族、オリビアと不倫関係になる)
- マドハール・ジャフリー:ナワブの母親
- パトリック・ゴッドフリー:サンダース医師
- ジェニファー・ケンドール:サンダース夫人
- スーザン・フリートウッド:クロフォード夫人
- ニコラス・グレイス:ハリー・ハミルトン=ポール
スタッフ
- 監督:ジェームズ・アイヴォリー
- 製作:イスマイール・マーチャント
- 脚本:ルース・プラワー・ジャブヴァーラ
- 原作:ルース・プラワー・ジャブヴァーラ
- 撮影:ウォルター・ラサリー
- 音楽:リチャード・ロビンズ
- 編集:ハンフリー・ディクソン
評価
ヨーロッパ、とりわけイギリスで芸術性の高さを評価されヒットした[3]。1983年3月までのロンドンの興行チャートでは「ガンジー」、「評決」、「愛と青春の旅だち」に次ぐ4位を記録した[4]。
1983年のカンヌ国際映画祭のコンペティションに出品された[5]。(パルムドールは今村昌平の楢山節考)
脚本を担当したジャブヴァーラは1983年度のロンドン映画批評家協会賞の脚本賞、および英国アカデミー賞の脚色賞を受賞した[6]。
本作品は批評家から好意的な反応を得ている。ニューヨーク・タイムズの映画評論家ヴィンセント・キャンビーは以下の論評をしている[7]。
「現代(1980年代)のエピソードが1920年代のオリビアとナワブの物語ほど魅惑的でない...とすれば、それは現代がはるかに平凡だからである。まるで、インド独立やパキスタンとの分離をまさに目撃していた時代から、旅客機で格安で旅行できる時代への時の流れが、英雄的ロマンスの可能性を無にしてしまったかのように...。アイヴォリーとジャブヴァーラは長年パートナーとして仕事をしていたため2人の作業内容を区分けするのは難しいが、2人は他の誰とも異なる、ある種の風刺的かつ気品のある映画を発展させてきた。彼らの共同作業の中でも『熱砂の日』ほど優美で、愉快で、文学的で、楽しませてくれるものはない。」
また、手厳しい評論で高い影響力を持っていた映画評論家ロジャー・イーバートは以下の論評をしている[8]。
「『熱砂の日』には素晴らしい景色と音と質感がある。魅惑的で、ラブストーリーを真剣に描いている。これはロマンスではなく、抵抗への決断なのだ。それはその時代、その場所に完全に馴染んでいる...。そして終わってみると、私たちはそれが怒りでもあることに少し驚かされる。あらゆる階級の女性、あらゆる制度の女性、イギリス人女性もインド人女性も、1920年代の女性も1980年代の女性も、男性と同じ「カースト」にはなれないことへの怒りなのだ。」
50年にわたって映画の中のスピリチュアリティを追求してきたフレデリック・ブリュサットとメアリー・アン・ブリュサット夫妻は以下の論評をしている[9]。
「ジェームズ・アイヴォリーは、インドの過去と現在、特に侵入者に対するインド人の感情を的確に把握して『熱砂の日』を監督した。グレタ・スカッキとジュリー・クリスティの卓越した人物描写のおかげで、私たちはインドの日常の多彩な神秘性に目を見開かされる。ロマンスの探求としても、繊細な異文化研究としても、『熱砂の日』は魔法の呪文を紡いでいる。」
Rotten Tomatoesでは批評家の支持率が79%、平均評価7.1/10となっている。
主な受賞
- 脚色賞(ルース・プラワー・ジャブヴァラ)
- 脚本賞(ルース・プラワー・ジャブヴァラ)
脚注
外部リンク
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