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燧石

白亜の一種。堆積岩。 ウィキペディアから

燧石
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燧石(ひうちいし、すいせき、flint、フリント)または火打石は、非常に硬質な玉髄質の石英からできている岩石の一種[1]

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石灰岩の地層の中で形成されたフリント
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燧石が産出される海岸
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新石器時代のフリント製石斧
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フリントロックの構成部品
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ストライプフリントの玉

チャートの一種であり硬い上に加工しやすいので、石器時代には世界遺産スピエンヌの燧石鉱山に見られるように石器の材料として使用され、鉄器時代以降は火打石として利用されていた。モース硬度は6 - 7である[2]

日本の地質学界ではフリントという語を使用することはまれで、成因的には続成作用の過程で生成された二次的濃集沈殿岩なので珪質ノジュール(団塊)と呼ばれることが多い[3]

成分

燧石の化学成分は、そのほとんどがケイ酸で、その他石灰などの無機物や炭素などを含む、それらの不純物によって黒色となることから焼却し除去すると白色となる。一部不溶性ケイ素の結晶で他は不定形状を示す[4][5]

約1000℃以上で焼却した場合、高温結晶形のクリストバライトとなる。

用途

石器
石器時代では、フリントから打製石器磨製石器等が作られた[6][7]
火打石
フリントを黄鉄鉱に強く打ちつけることで削られた金属粉末が酸素と反応し火花を放つことから発火具として利用された[8]
火器
フリントロック銃(燧石銃、燧発銃)の点火装置に使用される。フリントをフリズンと呼ばれる火蓋と当たり金を兼ねたL字型の金具に強くこすり付けながら蓋を上へ押し上げることで火花を中に誘導させ火薬を激発させる構造となっている。
砕石
陶芸の分野で釉薬などを粉砕するボールミルとして利用される[9]
陶芸
フリントから作られたクリストバライトを細かく砕いた物は、粘土セラミックの原料とされた[10][11][12][13]。しかし、現在では、フリントではなく石英を使うのが一般的となっている[14]
ガラス
を含んだ屈折率の高いガラスは、クリスタル・ガラスを発明したイギリス人ガラス貿易商ジョージ・レイブンスクロフト英語版が原料にフリントを使用したことからフリントガラスと呼ばれる[15]。屈折率の高さから見栄えのする食器プリズムなどの光学ガラスとして使用される[16]
宝飾
古代エジプトの遺跡ではフリント製のブレスレット古代エジプトのフリントジュエリー英語版)が多数見つかっている[17][18]。現在でも、縞柄のフリント(ストライプフリント)は宝飾品として利用されている。
建材
イギリス南部では、古くはローマ時代後期から現在まで、フリントをモルタルに混ぜて使用している。入手と加工が容易だったため、近隣の資源が枯渇する13世紀初頭までレンガの普及が遅れた[19]。15世紀から16世紀には、フリントを使った壁面を平坦に揃えたflushworkと呼ばれるゴシック建築の装飾的な建築技法が流行し、19世紀にもゴシック・リヴァイヴァル建築で使用された。
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採石場

石器時代には多くの燧石採石場英語版から、燧石が採掘加工された。著名な場所を以下に記す。

脚注

関連項目

外部リンク

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