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環状構造

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環状構造(かんじょうこうぞう)は、分子内の原子が輪のような構造を形成している状態である。化学、特に有機化学において非常に重要で、その種類や性質によって化合物の安定性や反応性が大きく異なる。[1]

種類

環状構造は主に以下の2種類に分けられる。

環を構成する原子が全て炭素原子である化合物。(炭素環式化合物の例:シクロプロパンシクロヘキサンベンゼンなど。) [2]

環を構成する原子の中に、炭素以外の原子が1つ以上含まれている化合物であり、これらは生物学的に重要な分子(DNARNAタンパク質など)の基本骨格となることが多い。(複素環式化合物の例:ピリジンフランチオフェンなど。) [3]

環ひずみ

通常の鎖状炭化水素では、炭素原子の結合角は理想的な正四面体角(約 109.5°)に近くなろうとするが、小さな環では、原子が強制的に接近させられるため、この理想的な角度が保てず、分子内にひずみが生じる。

結合角が 60°となり、非常に大きなひずみを持つため不安定で反応性が高い。

結合角が約 90°で、ひずみは残る。

結合角が 109.5°に非常に近くなる配座(後述)をとることができるため、ひずみがほぼなく非常に安定である。[4]

配座

特に六員環のシクロヘキサンは、環ひずみとねじれひずみを最小限にするために、様々な立体構造をとる。これを配座と言う。

  • いす形(Chair Conformation)

最も安定な配座で、結合角が 109.5°に保たれる。置換基はアキシアル位(軸方向)とエクアトリアル位(赤道方向)の2種類に配置される。

  • 舟形(Boat Conformation)

いす形よりもエネルギーが高く不安定な配座である。これは、フラッグポール相互作用と呼ばれる立体的な反発が生じるためである。[5]

シクロヘキサン環は、これらの配座の間で配座異性化(環反転)を起こし、より安定ないす形が優勢になる。[6]

脚注

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