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異端審問を取り仕切る聖ドミニクス

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異端審問を取り仕切る聖ドミニクス
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異端審問を取り仕切る聖ドミニクス』(いたんしんもんをとりしきるせいドミニクス、西: Acto de Fe presidido por Santo Domingo de Guzmán: Saint Dominic Presiding over an Auto-da-fe)は、スペインルネサンス期の画家ペドロ・ベルゲーテが1483年ごろ-1499年ごろに板上に油彩で制作した絵画である。本来、アビラサント・トマス修道院英語版聖具室に由来する作品で[1][2]、19世紀にマドリードに存在したトリニダード美術館英語版に収蔵された[1]が、同美術館がプラド美術館と合併して以来、プラド美術館に所蔵されている[1][2]

概要 作者, 製作年 ...
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作品

聖ドミニクスは、ドミニコ会の創設者で、ローマ教皇インノケンティウス3世より異端であるカタリ派の根絶を目的とした異端審問執行を任されていた[2]。運搬可能な演壇上に、聖ドミニクスとほかの6人の判決者がカタリ派信者たちに対するアウト・デ・フェ (異端審問判決宣告式) を取り仕切っている。聖ドミニクスの横には、男が聖ドミニクスのアトリビュート (人物を特定する事物) の、端に花模様のある十字架に取り付けられた旗を持っている[1]。異端者の中にはすでに火刑に処せられている者もいる一方、前景には「異端宣告」と書かれた黄色の贖罪服[1][2]を着せられている者もいる。さらに、背景には判決を待つ者も見える[1]

ベルゲーテは画面の中に審問、判決、刑の執行といった一連の過程を描き、あたかも画家の同時代に起きた出来事のように表現している[2]。また、登場人物の仕草や服装など当時の様子を忠実に描くことによって、聖ドミニクスの時代とは異なるカトリック両王時代のスペインの状況を現代に伝えている[1][2]

ベルゲーテは、この絵画でスペイン-フランドル様式英語版を新しいルネサンスの要素と融合させていることを示している。人物をその宗教的ヒエラルキーによって異なる大きさで表すことは中世の美術の特徴であり、聖ドミニクスは奥に描かれているにもかかわらず、前景の杭に縛れら、罰を受けている異端者たちよりも大きく描かれている。また、カスティーリャにおける異端審問という題材そのものも中世的な題材である[2]。しかし、本作は、遠近法[2]、形体と光の表現および建築的空間を描き込んでいる点においてルネサンス的な作品となっている。

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脚注

参考文献

外部リンク

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