場の量子論での相関関数とその性質について以下に示す[1]。
最も単純な実時間についての相関関数は、次のように2つの演算子の積の平均をとったものである。

ここで、場の量子論では粒子の生成・消滅が起こるため、平均
としてグランドカノニカル平均を採用する。よってハイゼンベルク描像での演算子
の時間依存性は、ハミルトニアンのみの形
ではなく、次のように化学ポテンシャルを含んだ形で決定される。

この相関関数
を具体的に計算してみると、tとt'に独立に依存するのではなく、その差t-t'の関数であることがわかる。よって以下では
と書くことにする。t'=0のときは
である。このフーリエ変換は、次のように定義される。

この相関関数のフーリエ変換は、次のような性質を持つ。





このような単純な積の平均で表される相関関数の他に、以下のようなものがよく用いられる。
- 交換子または反交換子の平均:
![{\displaystyle \langle [A(t)B(t')]_{\pm }\rangle }](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/8b7b3f21bec3e4ebb6b448d401ac0d5207ad2a1a)
- 先進グリーン関数や遅延グリーン関数で用いられる。
- 時間順序積の平均:
![{\displaystyle \langle T[A(t)B(t')]\rangle }](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/21f4cf8b7fe34e6eccfac000c4152f9f48a007ac)
- 温度グリーン関数で用いられる(ただし温度グリーン関数は実時間ではなく虚時間
についてのグリーン関数である)。