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硫酸水銀(I)
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硫酸水銀(I)(英語:Mercury(I) sulfate)は組成式Hg2SO4で表される化合物である。イギリスではmercurous sulphate、アメリカではmercurous sulfateと綴る[2]。硫酸水銀(I)は白-薄い黄色あるいはベージュ色の、粉状の金属化合物である[3]。また硫酸の二つの水素原子をどちらも水銀(I)イオンで置換した化合物である。毒性が強く、吸入したり、消化吸収したり、肌から吸収したりすると死に至る恐れがある。
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構造
硫酸水銀(I)の結晶は亜鈴型のHg22+とSO42−という2つのイオンからなる。Hg22+は4つの酸素原子に囲まれており、水銀原子と酸素原子の距離は2.23Åから2.93 Åである。一方水銀原子同士の距離はおよそ2.500Åである[4] 研究によって硫酸水銀(I)では水銀原子が二重に重なり、結合長が2.500Åになるように配置されることがわかっている。重なった水銀原子と単位格子の軸は平行になっている。そうして結晶格子がSO4 - Hg - Hg - SO4 - Hg - Hg - … とつながっていく。Hg - Hg - Oの結合角は165°±1°である。この鎖と単位格子は斜めに交わっている。硫酸水銀の構造はHg原子とO原子の弱い相互作用によって成り立っている。SO4は単一の陰イオンではなく、水銀の配位子として機能している[5]。
調製
要約
視点
硫酸水銀(I)の作り方の一つに、硝酸水銀(I)1当量に硫酸6当量を混ぜる方法がある[6]
また、過剰の金属水銀を濃硫酸と反応させても得られる:
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電池での利用
硫酸水銀(I)は化学電池によく用いられる[7][8][9]。1872年にジョサイア・ラティマー・クラークが硫酸水銀(I)を使った化学電池を開発した[10]。それからジョージ・オーガスタス・ハレット(George Augustus Hulett)によって1911年に製作されたウェストン電池でも使われるようになった[10]。これは硫酸銀などと一緒にすることで100 °C以上の高温でよい電極として機能することがわかったためである[11]が、高温では分解する。分解は吸熱反応で、335°Cから500°Cの間で起こる。また、硫酸水銀は標準電池を作りやすい。比較的溶解度が小さいため陽極からの拡散が進みにくく、水銀の標準電極電位が十分高いことが理由である[12]。
脚注
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