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禹王槊

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禹王槊(うおうさく)は、中国神話と後世の文学作品中に登場する伝説的な長柄武器。古代聖王・禹(う)が治水事業で使用した工具が神格化されたものとされ[1]、主に儀礼や権威の象徴として描写される。唐代以降の演義小説(『残唐五代史演義』『明英烈』等)では、李存孝(りそんこう)や常茂(じょうも)ら猛将の武器として「無双の威力」が強調された。

歴史的起源

禹王槊の起源は主に二つの側面から構成される:

神話的基盤
Quotation|古代聖王・禹が治水事業で使用した工具(『拾遺記』卷二「夏禹」条に記載の「開山斧」)が武器として再解釈された[2]。道教儀礼では「山川鎮めの神器」とされ[3]、洞窟や河川への奉納儀式が行われる。
名称の成立
「槊」は中国の長柄武器総称。「禹王」の称号は治水神話と王権神授思想の結合を反映し、唐代以降に定着した。

文学的発展

1. 唐末五代の英雄叙事

残唐五代史演義
李存孝が「八百斤の禹王槊」(約480kg)を軽々と揮う描写[4]。その怪力は「五馬分屍(車裂き)でも死なず」という伝説的要素と結びつく。
戦闘描写の特徴
鉄製の長柄に「手形(拳・掌・指)」を鋳造した構造[5]。敵を捕捉・打砕する機能が誇張される。

2. 明代演義小説の再創造

明英烈
架空の武将・常茂が「鉄製禹王槊」を使用[6]。先端の手形で敵兵器を奪う滑稽な戦闘描写が特徴。
武器の象徴性
重量・破壊力の非現実性は「英雄の超越性」を表現する修辞装置となる[7]

文化的意義

権威の可視化
道教祭祀で用いられる儀仗兵器として[8]、禹の治水神話と帝王の正統性を結びつける。
民間信仰の媒介
河川災害を「水妖の祟り」と解釈する民間伝承において、禹王槊は鎮圧の象徴として奉納された。

関連人物

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脚注

関連項目

外部リンク

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