トップQs
タイムライン
チャット
視点

竜生九子

ウィキペディアから

Remove ads

竜生九子(りゅうせいきゅうし)とは、中国伝説上の、が生んだ九匹の子を指す[1]。いずれも親である竜になることはできなかったとわれ、それぞれ姿形も性格も異なっている[1]。「竜には九匹の子がいる」と言う伝承と、「古今の怪物または怪物をかたどった装飾様式」が混ざって生じた。

一覧

『升庵外集』の説

升庵外集』(楊慎, 1488–1559)や『天禄識余』(高士奇, 1645-1704)は次の9種とする[1][2]

  1. 贔屓(ひいき)
    形は亀に似て、重きを背負うことを好む。石の柱の下の亀の形の台座である。
  2. 螭吻(ちふん)
    形は獣に似て、遠きを望むことを好む。屋根の上に置く獣頭である。
  3. 蒲牢(ほろう)
    形は龍に似るが小さく、吼えることを好む。釣鐘の上の鈕(吊るすために綱などを通す部分)である。
  4. 狴犴(へいかん)
    形は虎に似て、力が強いので牢の門に置かれる。
  5. 饕餮(とうてつ)
    飲食を好むので、の蓋に置かれる。
  6. 𧈢𧏡(はか)
    水を好むので、橋の柱に置かれる。
  7. 睚眦(がいし)
    殺すことを好むので、刀環に置かれる。
  8. 金猊(きんげい)
    形は獅子に似ており、火と煙を好むので、香炉に置かれる。
  9. 椒図(しょうず)
    形は貝に似て、閉じることを好むので、門の鋪首(門環の台座)に置かれる。

またその他に、

  • 金吾
    魚のような頭と尾と二つの翼を持ち、眠らないので、警巡に用いられる。

も載る[2][3]

『懐麓堂集』の説

懐麓堂集』(李東陽, 1447-1516)は次の9種とする[4]

  1. 囚牛(しゅうぎゅう)
    音楽を好み、今の胡琴の頭にその像を遺す。
  2. 睚眦(がいさい)
    殺すことを好み、今の刀の柄にその像を遺す。(『升庵外集』に同じ)
  3. 嘲風(ちょうふう)
    険しいところを好み、今の屋根の角の獣にその像を遺す。
  4. 蒲牢(ほろう)
    鳴くことを好み、今の釣鐘の上の鈕(吊るすために綱などを通す部分)にその像を遺す。(『升庵外集』に同じ)
  5. 狻猊(さんげい)
    座ることを好み、今の仏座の獅子にその像を遺す。(『升庵外集』と金猊と同一視される)
  6. 覇下(はか)
    重きを背負うことを好み、今の石の柱の台座の獣にその像を遺す。(『升庵外集』の贔屓と同一だが名称が異なる)
  7. 狴犴(へいかん)
    訴訟を愛し、今の牢の門の獅子頭にその像を遺す。(『升庵外集』の狴犴と同一だが性質が異なる)
  8. 贔屭(ふき)
    文章の読み書きを好み、今の石碑の左右を挟む竜にその像を遺す。
  9. 蚩吻(しふん)
    呑むことを好み、今の殿脊(屋根の大棟)の獣頭にその像を遺す。(『升庵外集』の狴犴と同一だが性質が異なる)
Remove ads

『菽園雑記』

陸容(1436—1494)による『菽園雑記』に「様々な古い器物の異名」として、屭贔螭𧉚徙牢、憲章、饕餮、蟋蜴、䘎𧊲、螭虎、金猊椒図、虭蛥、鰲魚、獣𧉚、金吾が載り、またその内容は例えば屭贔であれば「形は亀に似て、重きを負うを好むので石の柱を載せるのに用いられる」、憲章は狴犴と名は異なるが「獣に似て、力が有り、囚えることを好むので牢の門に置かれる」など、よく似る[5]

画像

脚注

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads