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結合長

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分子構造において、結合長(けつごうちょう、Bond length)または結合距離 (Bond distance) は、分子内の2つの原子の間の平均距離である。

概要

結合長は結合次数と関連しており、結合の形成に参加する電子が多くなるほど結合は短くなる。また結合長は、結合強さ及び結合解離エネルギーと逆相関の関係にあり、結合が強くなるほど結合長は短くなる。2つの同じ原子の間の結合長の半分は、共有結合半径と等しい。

結合長は、X線回折を用いて固相で測定されるか、回転分光法を用いて気相で見積もられる。結合を共有する2つの原子の組は、分子ごとに異なる。例えば、メタン中の炭素-水素結合の長さは、クロロメタン中の長さとは異なる。しかし、全体構造が同じ場合は、一般化することが可能である。

炭素と他の元素の結合長

下表は、実験的に求めた炭素と他の元素の間の単結合の長さである。単位は、pmである。2つの異なる原子の間の結合長は、それぞれの共有結合半径の和で近似できる。一般的な傾向として、結合長は、周期表の周期が大きくなるほど長くなり、族が大きくなるほど短くなる。この傾向は、原子半径と同じである。

さらに見る 元素, 結合長 (pm) ...
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有機化合物中の結合長

要約
視点

分子中の2つの原子の間の実際の結合長は、混成軌道置換基の性質によって異なる。ダイヤモンド中の炭素-炭素結合の長さは154 pmで、通常の炭素の共有結合としては最も長い。

異常に長い結合長というのも存在する。その1つはトリシクロブタベンゼンで、結合長は160 pmにもなることが報告されている。さらにX線回折により、別のシクロブタベンゼンで174 pmというのが現在の最長記録である[2]

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cyclobutabenzene with a bond length in red of 174 pm

2つのテトラシアノエチレンジアニオン二量体の中に290 pmにも及ぶ非常に長いC-C結合が存在すると主張されているが、これは2電子4中心結合である[3][4]。この型の結合は、中性のフェナレン二量体でも見られる。これらの結合は「パンケーキ結合」と呼ばれ[5]、長さは305 pmにもなる。

平均的な炭素-炭素結合よりも短い結合も見られ、アルケンアルキンではσ結合s軌道成分が増えるため、結合長はそれぞれ、133 pm、120 pmとなる。ベンゼンでは、全ての結合が同じ結合長を持ち、139 pmである。s軌道成分の大きい炭素-炭素単結合としては、ジアセチレンの中央の結合(137 pm)やある種のテトラヘドラン二量体の中央の結合(144 pm)も顕著である。

プロパンニトリルでは、電子を欠いたシアノ基が結合長を短くする(144 pm)。歪みによってもC-C結合長は短くなる。In-メチルシクロファンと呼ばれる有機化合物では、トリプチセンフェニル基の間の結合が147 pmと短くなる。In silicoの実験により、フラーレンに閉じ込められたネオペンタンは、結合長が136 pmと推定された[6] The smallest theoretical CC single bond obtained in this study is 131 pm for a hypothetical tetrahedrane derivative.[7]。この研究で、理論的に最短のCC結合は、仮想的なテトラヘドラン誘導体の131 pmである[7]

同じ研究で、エタンのCC結合を5 pm伸縮するのに、それぞれ2.8、3.5 kJ/molのエネルギーが必要であると推定された。また、同じ結合を15 pm伸縮するには、それぞれ21.9、37.7 kJ/mol必要であると推定された。

さらに見る C–H, 長さ (pm) ...

出典

外部リンク

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