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自己肯定感

自分の在り方を自ら積極的に肯定できる感情 ウィキペディアから

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自己肯定感(じここうていかん)とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉である。しかし、後述のように定まった定義はなく、他の類似概念との弁別も充分とは言えない。

定義

要約
視点

自己肯定感という言葉は、研究者などによって数多くの定義が提唱されてきた。

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自己肯定感については心理学の領域で継続的に高い注目を浴びている概念であるが、その定義や類似の他概念との弁別性などについて、検討の必要性が残っている[1]

自尊心英語: self-esteem)、自己存在感、自己効力感英語: self-efficacy)、自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる場合がある[16][17][1][6]。現在、これらの言葉は多義的に用いられることが少なくなく、結果としてあらゆる肯定的な心理的要素を表現する包括的名称(umbrella term)となっているという指摘がある[18]

自己肯定感の訳語としては、self-positivity、self-affirmationなどを当てはめる試みがなされてきた[6]。ただし、社会心理学者のスティールが提唱した自己肯定化理論英語版において定義されたself-affirmationは、「自己の全体的一般的な完全さ(適応的、道徳的適切さ)を確認、肯定すること」[19]であり、自己肯定感とは異なる概念であることから、注意が必要である。

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歴史

「自己肯定感」という言葉は1994年高垣忠一郎によって提唱された[20]。高垣は自身の子どもを対象にしたカウンセリングの体験から、当時、没個性化(不登校・無気力・自殺などの根底にある、自己・個・人格・生きる意欲の喪失化)が生じていた子どもの状態を説明する用語として「自己肯定感」を用いている[20]

その後、日本の子どもの自己評価がアメリカ合衆国中華人民共和国大韓民国の子どもの自己評価に比べて有意に低いことが日本青少年研究所の調査報告などで指摘されるようになり、日本の教育現場において「自己肯定感」が注目されるようになった[20]。なお日本人の自己肯定感は子どもにとどまらず、若者をはじめ成人でも低いことが明らかになっている[21]。また、1990年以降の文化心理学の影響により、日本の文化的背景に即した概念を模索し、検討する試みがなされるようになり、その結果として自己肯定感という用語が使用されるようになった[6]

自己肯定感が提唱されてから年月が経ち人々に広まり多様な解釈がなされるようになった。「自己効力感」「自己有用感」「自己効用感」などが「自己肯定感」として語られる事があるが、このような語られ方をするだけでは不十分だと考える、と高垣は述べている[22]

教育再生実行会議による第十次提言では、「自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子供を育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上」が掲げられている[23]

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自己肯定感に関する批判

上記の通り、自己肯定感と自尊心は同じ様な意味合いで用いられることがあるため[16][1][6]、自己肯定感を論じる際には自尊心に関する批判や批判的研究が用いられることがある[18]

詳しい批判は自尊心 § 自尊心に関する批判を参照。

出典

参考文献

関連項目

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