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解析幾何学

座標を用いて代数的に図形を調べる初等幾何学 ウィキペディアから

解析幾何学
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解析幾何学(かいせききかがく、: analytic geometry)は、座標を用いる代数的[注釈 1]な幾何学である。通常、二次元を扱う平面解析幾何学と、三次元を扱う立体解析幾何学に分かれる。

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デカルト座標

名称

「解析幾何学」の語は、アイザック・ニュートンの著書『解析幾何学』("Geometria Analitica")辺りから使われ始め、18世紀末から19世紀初めに現在の形となった。以下のようにも呼ばれる。

  • 座標幾何学(ざひょうきかがく、: coordinate geometry
  • デカルト幾何学(デカルトきかがく、: Cartesian geometry
  • カルテシアン幾何学(カルテシアンきかがく、英称同上)

現代において「解析」は微分積分学から始まる無限小の解析を指すのが一般的だが、デカルトの時代にはいわゆる解析学は存在せず、ギリシア時代の幾何学が「幾何解析」と呼ばれていた。この「幾何解析」が現代では初等幾何学と呼ばれ、「点や直線などがどのような公理に従うか」ということのみによって図形を研究する総合幾何学とも呼ばれる。デカルトは当時の三大分野である論理学、代数学、初等幾何学(幾何解析)、初等幾何学は十分に方法論が体系化されていない曖昧な分野であると考え、代数学の導入による体系化を試みた。このような方法は「解析的方法」と呼ばれ、それが「解析幾何学」の語源である[1]

従って、解析幾何学は代数的手法による幾何学である代数幾何学に直接つながる。解析幾何学の一般化が代数幾何学である。

また、非ユークリッド幾何学は座標を用いているものの、解析幾何学には分類されない。

GAGAとの関係

現代では解析多様体英語版(これは解析函数を含む方程式系の解全体の成す空間として局所的に得られる)を研究する現代的な分野にも「(複素)解析幾何学」という同じ名称が与えられているが、本項における意味とは異なる。フランス数学者ジャン=ピエール・セールGAGAによれば、この意味での複素解析幾何学の含む内容は代数幾何学と本質的に同一のものである。しかし手法としての両者は著しく異なるものであり、その意味で両分野は、現在においても異なるものとして扱われている。

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歴史

解析幾何学は、基礎概念である「座標」の概念の登場に始まる。座標の考え方はフランスルネ・デカルト(『方法序説』)とピエール・ド・フェルマーによって独立に導入された。これにより、ギリシア起源の幾何学とアラビア起源の代数学が結び付くことになる。その後、ゴットフリート・ライプニッツアイザック・ニュートン以降に明確に用いられることとなる[1]

日本では、明治維新以来、中等教育において解析幾何学の教育が行われている[1]。ただし、二次曲面は殆ど扱われない。

範囲

解析幾何学で扱うのは高々三次元のユークリッド空間(ないしアフィン空間)である。通常、二次元を扱う場合は平面解析幾何学と、三次元を扱う場合は立体解析幾何学と呼ばれる。座標上の図形は高々二次の方程式で表現される(つまり、二次形式である)。高次元の幾何学、多様体は対象の範囲外である。

具体的には、

手法としては、

のほか、部分的に微分幾何の手法が用いられることがある。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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