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諸芸術の表象のある静物
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『諸芸術の表象のある静物』(しょげいじゅつのひょうしょうのあるせいぶつ、露: Натюрморт с атрибутами искусств、英: Still Life with Attributes of the Arts)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠ジャン・シメオン・シャルダンが1766年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。ロシア皇帝エカチェリーナ2世の発注により描かれた[1][2]。本来、サンクトペテルブルクの芸術アカデミーの会議室に掛けられるための作品であったが、エカチェリーナ2世が大いに気に入ったため、自身のために冬宮殿に掛けた[2]。作品は現在、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている[1][2][3]。
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作品
シャルダンの画業後期に制作された本作は、諸芸術の寓意である。絵画用の絵筆とパレット、厚い学術的書物、赤い紙挟みなどが丹念に描かれている。やわらなか光に照らされ、豊かな色彩で描かれた事物が美しい[1]。1744年にジャン=バティスト・ピガールにより制作された、脚にサンダルを結びつけているメルクリウスの彫像は絵筆やパレット同様、シャルダンの職業である芸術を示唆する。彫像の足元には設計図と三角定規があり、建築を示している。書物と小銭はそれぞれ、文学と金細工業を表す[3]。
シャルダンは「啓蒙的リアリズム (enlightening realism)」とよばれる絵画のジャンルを生み[1]、近代的な意味における静物画を創始した画家といってもよいが、この寓意的な作品にもその特質が十分に発揮されている。快い色彩の調和と厳格な構図、空気感までも描出した表現力は、晩年においてもまったく衰えていなかったばかりか、ますます洗練の度合いを加えている[2]。
なお、本作より1年前の1765年に制作された『音楽の象徴』と『芸術の象徴』がパリのルーヴル美術館に、1731年に制作された『科学の表象』が同じくパリのジャックマール=アンドレ美術館に所蔵されている。
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ギャラリー
- シャルダン『芸術の象徴』 (1765年)、ルーヴル美術館、パリ
- シャルダン『科学の表象』 (1731年)、ジャックマール=アンドレ美術館、パリ
脚注
参考文献
外部リンク
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