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植林活動
植えた木を増やして木材として使う ウィキペディアから
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植林活動(しょくりんかつどう、英: Afforestation)は、木材生産や森林保全を目的として、木を植えることである。造林とほぼ同義とされることもある[1]が、造林の一部、すなわち人為的な植樹による人工造林のみを植林とすることもある[2][1]。林学上、afforestation(狭義の植林、造林)とreforestation(森林再生)を総て広義の植林あるいは造林を定義し得る[3]。
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概要


人工的に樹木を育成する植林には、森林保全の中には、地盤の安定化、水資源の確保、生態系の保全、防風、防砂といったさまざまな目的が含まれる。
植林によって生まれた森林は、人工林と呼ばれる。日本においては、全森林面積の4割が植林によって生まれた人工林である。ただし、それらの地は以前は自然林が成立していた場である。横内浄水場水源地など環境保護の名目で自然林を伐採してから「植林活動」を行ったため社会問題となった例もある。
自然林と、木材生産などの林業ために植林が行われた人工林には、樹種や手入れの有無などに大きな違いがあるため、専門家の間では区別されているが、一般的には混同されることが多い。
植林の方法
人工造林
林地に直接種を蒔く直播き造林と、苗木を植え付ける植樹造林、挿し木として植える挿し木造林がある。その方法は樹種ごとの特性や環境中の雑草木に合わせて選ばれる[4]。
天然下種更新
造林地やその近くにある母樹から生まれる種子に頼って樹木を増やすもの。環境に適した森林を作ることができるが、木材など経済的価値での評価は劣る場合がある[4]。
萌芽更新
伐採を終えた林に有用な樹種の切り株を残し、そこから生えてきた新しい芽によって林を作るもの。主に薪炭林で行われる[4]。
環境保護活動としての植林


近年まではその大部分が木材生産を目的としたものであり、植林活動や人工林という言葉も環境保護の意味合いは含まれていなかったが、環境保護運動の拡大につれて森林保全、緑の拡大のために木を植えるという意味合いが含まれるようになっている。これら社会運動としての植林を「植林活動」と呼ぶことがある[5]。
森林は光合成により地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)を吸収することから、温暖化対策の手段として、排出権取引においても、新しく植林した森林をCDM植林の対象とし、CO2削減とみなし、京都議定書における京都メカニズムにより、排出権を創出することがルール上は可能となっている。
→「Tree plantation」も参照
木材や燃料とするためではなく森林面積を増やすための植林は森林破壊を補い、地球温暖化への対策として有効であるとされる。そのため環境保護活動の題材としてメジャーであり、市民活動から政府、企業によるものまで広く行われているが、追跡調査などの結果からはその実効性に対しグリーンウォッシングではないかという疑問が呈されている。
植林支援活動
植林活動を支援するための募金の代表的なものとして、緑の募金があるほか、ウェブサイト上でもクリック募金として行われている。ウェブ上の他の植林支援活動として、検索をした回数で植林が行われるサーチエンジン「Ecosia」が存在する。また、植林活動への貢献に対する賞として明日への環境賞などがある。多数の大企業がCSRとして、従業員などのボランティアによる植林活動を行っている。
植林の失敗
植林はイメージの良い行為であるため、対外的なイメージ戦略として植林が行われることがある。植林に関するリサーチによると、植林はしばしば政府や企業によるグリーンウォッシングとして行われ、植え付け後の管理が行われず放置される例が多い。
生存率の軽視
「植林活動」の成果として「植え付け本数」や「植え付け面積」だけが強調され、「植林の生存率 (成功率) 」が無視されているという。植林のその後を調査した研究によると、世界で実際に行われた植林のうち大半が枯死しているといた。2012年にフィリピンでは、マングローブ地帯に対し1時間に100万本という植林が行われギネス記録にまで認定されたが、2020年時点で98%が枯死している。これは植林活動のインパクトを優先し、植え付け場所の調査やその後の管理を怠った結果であり、またこの結果は予想可能であったにもかかわらず強行された。その他にもトルコやインドで同様の大規模植林が行われたが、失敗に終わっている[6]。
現地の環境や価値観の軽視
1990年代から2000年代にかけて、日本の環境保護団体が砂漠化防止を謳って内モンゴルで盛んに植林ツアーを行った。ところが乾燥した草原地帯で植林を行うと土壌中の水を消費し、さらに灌漑によって貴重な水資源を浪費することになった。これらの活動によって地下水位が低下し、植えた木どころか周辺の草原まで枯死させ砂漠化を進めかねないと指摘されている[7]。現地の牧畜民は砂丘の有無、地下水位、植生や乾燥度合いなどによる違いのある豊かな土地と認識していても、日本人には「砂漠は貧しく、緑化すべき」という緑化思想があり、活動を相対的に評価する方法が課題となっている[8]。
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脚注
関連項目
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