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過激派

テロリズムなど過激な方法で主義や理想を実現しようとする思想 ウィキペディアから

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過激派(かげきは、英語: extremist)とは、武装闘争など過激な方法で、政治的目的を実現しようとする党派・グループ。急進派[1]。日本においては新左翼系の極左暴力集団右翼・右派系市民グループを指す[2][3]。対比語は穏健派など。

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概要

「過激主義」(英語: extremism)とは「極端な手段または見解の提唱」を意味する[4]。この用語は主に政治的または宗教的な意味で、その社会の主流の意見からかけ離れていると認識される政治思想を指すために使用される[5]

過去の反グローバル化運動から着想を得て、混乱を引き起こすような抗議活動を計画する環境保護団体は「環境過激派」とも呼ばれる[6]

アメリカでは、2020年頃には、国内の暴力的過激派(英語: Domestic Violent Extremism、DVE[7])が、国家・市民生活の脅威として認識されるようになっている[8][9][10][11]2014年から2023年までの過激派による殺人件数のうち76%が右翼過激派によるものであり、左翼過激派(黒人民族主義者アナキストによるものも含める)の4%イスラム過激派19%、その他(他の宗教過激派など)1%によって引き起こされたものを大幅に上回り、年ごとの件数でもイスラム過激主義による銃乱射事件がおきた2016年を除いた全ての年で右翼過激派が首位であった[12]

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右翼

ドイツ

ドイツ政府統計によれば、右翼過激派に関連する暴力事件は近年増加傾向にあり、2019年には極右思想に起因する犯罪件数が過去最高を記録した[13]2020年にはハーナウでの銃乱射事件[14]をはじめ、極右思想に基づくテロ事件が発生しており、連邦内務省(BMI)は「右翼過激派が国内治安にとって最大の脅威」と位置付けている[13]

2025年ドイツ連邦議会選挙で躍進した極右政党ドイツのための選択肢は同年5月に連邦憲法擁護庁から右翼過激派に指定された[15]。同年8月には同党所属のメクレンブルク・フォアポンメルン州地方議員の自宅から大量の武器と爆発物が押収される事件が発生している[16]

アメリカ

シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)は、1994年から2020年の間に発生したアメリカ国内のテロ攻撃陰謀未遂の大多数が右翼過激派によるものであったと報告している[17]。また、メリーランド大学の研究では、右翼過激派による事件は左翼過激派によるものよりも致死率が高く、特に2019年以降は急増傾向にあることが示されている[18]。さらに、シンクタンクのケイトー研究所の分析によれば、1975年以降に米国内で発生した政治的動機による殺人事件において、右翼過激派は391人を殺害したのに対し、左翼過激派は65人にとどまっているとされる[19]

イタリア

イタリアでは、第二次世界大戦後のネオファシズム運動に端を発する右翼過激派組織が存在しており、「鉛の時代」において多数のテロ事件に関与した。代表的な例としては、1980年のボローニャ駅爆破事件が挙げられる。冷戦終結以降も極右運動は存続しており、移民排斥や民族主義を掲げる新たな団体も台頭している[20]

日本

日本においても、右翼過激派の存在が確認されている。戦後には「民族派」や「行動する保守」などと称される団体が登場し、街宣車を用いた宣伝活動や、政治家・企業・報道機関に対する脅迫・襲撃事件が繰り返されてきた。過去には1987年の朝日新聞阪神支局襲撃事件のような重大事件も発生している。また、近年ではインターネット上を通じたヘイトスピーチ外国人排斥デモを行うグループも確認されており、政府は国内の治安上の懸念の一つとして監視を続けている。

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左翼

日本

日本において、過激派とは主に日本共産党1951年に「日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである」とした51年綱領で掲げた暴力革命や武装闘争路線[21]を支持する新左翼系党派を意味する[3][2]

彼らは1955年暴力革命武装闘争をめぐる党内の路線対立などで日本共産党を除名や離党した者が中心となって誕生した。日本共産党の代わりに日本国内で暴力による共産主義革命を起こすことを目的とする彼らは1960年代以降、マスメディアや警察等から「過激派」と呼ばれた。主に暴力で理想を実現しようとすることから、警察用語で極左暴力集団とされる[3]。1955年の共産党の方針転換で党の影響下から離れた以降は、新左翼と日本共産党の間で強い対立が起きた[21]

冷戦後

冷戦後に起きたアメリカ同時多発テロ後のイスラム原理主義によるジハード主義イスラーム過激派)の台頭は、アメリカを極右の過激主義思想の温床を肥沃にした[22]

2019年にヴァイス・メディアは、2014年に始まったウクライナ紛争に対して、ヨーロッパ中の白人至上主義ネオナチが同地に集まり、戦闘訓練を受けていると報じた。こうした過激派たちは訓練を終えて自国に帰り、訓練で得た経験を過激行為に活かしているという[23]

脚注

関連項目

外部リンク

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