酸化タリウム(I)

酸化タリウム(I)はタリウムと酸素からなる無機化合物。化学式はTl₂Oでタリウムの酸化数は+1である。黒色で水に溶けると水酸化タリウム(I)(TlOH)の塩基性で黄色の溶液を生成する。空気がない中で固体TlOHまたはTl₂CO₃を加熱することで形成される。特殊な高い屈折率を持つガラスを作るために使われる。いくつかの高温超伝導体の成分である。酸と反応してタリウム塩(I)を生じる。

Thallium(I) oxide
別称 Thallous oxide
識別情報
CAS登録番号	1314-12-1
3D model (JSmol)	Interactive image
ECHA InfoCard	100.013.838
EC番号	215-220-4
PubChem CID	16684203
CompTox Dashboard (EPA)	DTXSID40894900
InChI InChI=1/O.2Tl/q-2;2*+1
SMILES O([Tl])[Tl]
特性
化学式	Tl2O
モル質量	424.77 g/mol
外観	黒色の直方晶 吸湿性
密度	10.45 g/cm3
融点	596 °C, 869 K, 1105 °F
沸点	1080 °C, 1353 K, 1976 °F (分解)
水への溶解度	可溶
溶解度	アルコールと酸に可溶
構造
結晶構造	菱面体, hR18[1]
空間群	R-3m, No. 166
関連する物質
その他の 陽イオン	酸化タリウム(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

Tl₂Oは固体状態で反ヨウ化カドミウム構造をとる^[1]。このようにTl(I)中心はピラミッド型であり、酸化物中心は八面体型になる。

全てのタリウム化合物と同様非常に毒性が高い。