重金属中毒

重金属中毒は、水銀、鉛、カドミウムなどの重金属が体内に過剰に蓄積することで、さまざまな健康障害を引き起こす状態である。多くの場合は、職業的・環境的な曝露により、長期間にわたって少しずつ重金属が体内に蓄積する「慢性中毒」である。中毒の症状は、金属の種類や曝露量によって異なり、神経系、腎臓、肝臓など、全身に影響が及ぶことがある。^{[1] [2] [3] [4] [5]}

特徴

体内で解毒されにくく、体内に蓄積されやすいため、一度に大量に摂取する急性中毒よりも、長期間にわたる低濃度の曝露による慢性的な中毒がほとんどである。

原因

公害などにより、汚染された水や土壌を介して、農作物や魚介類から摂取することがある(例:イタイイタイ病（カドミウム中毒）や水俣病（有機水銀中毒）)。又、鉱業、精錬、メッキ、製造業など、重金属を取り扱う職場で粉じんや蒸気を吸入したり、皮膚に触れたりすることでも起こる。その他では、傷ついた金属容器から酸性の飲料に金属成分が溶け出すことによる食中毒なども起こり得る。 ^[6]

主な症状

• 神経系

頭痛、吐き気、嘔吐、人格の変化、感覚障害、貧血など。小児の場合は、知的障害や発達障害を引き起こす可能性がある。

• 臓器系

腎臓や肝臓の機能障害、または循環器系への障害など。

• その他

腹痛、骨や関節の痛み、高血圧など、金属の種類によって様々な症状が現れる。 ^[7]

対策

• 公害病の教訓から、環境基準の設定や排水規制などが行われている。
• 曝露防止のための機械の設置や、呼吸用防護具の着用など。
• 酸性の飲み物を古くなった金属容器に入れない、汚染の可能性のある地域や食品に注意する。 

関連項目

• タリウム中毒